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「Russian Kiss」からLGBTについて考える

ノルウェーのエレクトロ歌姫、アニーちゃんが放った「Russian Kiss」。この曲にはロシアで成立した「ゲイ・プロパガンダ禁止法」に対するプロテストの意味が込められています。これをきっかけに日本でも最近見かけ始めたLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)について考えてみました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

LGBTとは?

LGBTという言葉、ご存知でしょうか? レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字をとったものです。90年代から使われ始めた言葉ですが、日本でも最近になって見かけることが増えてきました。組織論の観点からダイバーシティ(多様性)という言葉がよく使われていますが、性別や国籍・民族という点に焦点があたる傾向が強いです。LGBTも、ダイバーシティ中で尊重されるべき要素です。特定の性的指向に基づくLGBに対し、最後のTにあたるトランスジェンダーは遺伝子上の性と違う性自認を指します。

ノルウェーのアニー

2006年にノルウェーのエレクトロ歌姫特集をしました。その中で、僕の一押しは、アニー(Annie)ちゃん。ミニですが、アルバムとしては最新となる2013年の『The A&R EP』は、エレクトロとしてもポップミュージックとしても完成度が高い作品です。

ノルウェーの歌姫~アニーちゃんへ捧ぐ (All Aboutテクノポップ)
The A&R EP (amazon.co.jp)
theaandrep

The A&R EP


アニーちゃんリリースをフォローしていると、「Russian Kiss」という曲を同じノルウェー人の芸術家、Bjarne Melgaardを迎えてリリースしています。PVを見てみると、出だしは普通の男女カップルが歩いていきますが、その後カップルは各々同性に近づいていき、同性同士のキスシーンの連続。Bjarneらしき人もPVにいます。

Russian Kiss (YouTube)
Russian Kiss (amazon.co.jp)
russiankiss

Russian Kiss


サビの部分では「Shake a fist for the Russian kiss! (ロシアのキスにこぶしを振る!)」と歌っており、これは下記のt.A.T.u.記事でも書いたプーチン大統領の署名により成立したロシアの「ゲイ・プロパガンダ禁止法(同性愛宣伝禁止法と訳されることもある)」に対するプロテストと受け取れます。アニーちゃんの公式サイトに行くと、Muumuse.comによる「ノルウェーの歌姫、アニーはプーチンの方向性に待ったをかけ、チューインガム(彼女は「チューインガム」というヒット曲があります)吐き出している」と洒落たコメントを掲載しています。ちなみにこの曲はリミックスが複数作られており、「German Kiss」「Swedish Kiss」「Norwegian Kiss」というタイトルが付けられています。

t.A.T.u.ソチ五輪出演の意図を深読みすると (All Aboutテクノポップ)

 
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