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投信は2倍になっても売りません!

投資を売り買いの作業だと思っている人は、ひんぱんな取引をして証券会社を喜ばせます。普通の人がファンドマネージャーのマネをして、利益確定の売りをするのもおかしいことです。私たち長期投資家は、投資信託を10年、20年というスパンで持ち続けて、より大きなリターンを狙っています。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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日本人は短期思考

投資の利益を確実に手に入れたいと思うあまり、人は簡単に利益確定の売りをしてしまいます。特に、日本人は投信の保有期間が短いこと(約2年間)で特徴的です。

利益確定売りができることを、クールだと褒める風潮があるのですが、実は大きな誤解です。なぜなら、老後の生活資金を作りたい多くの日本人にとっては、定期的な利益をあげることなどに意味はないからです。

長期で発揮される複利効果

毎年20%ずつを20回繰り返すことよりも、20年間回し続けて最後に一回だけ売る方が、もうかると思いませんか?

前者の20年後の将来価値は4倍ですが、後者の場合は38倍となります。これが複利効果の恩恵です。

この計算では売買の都度に発生するコストを無視していますが、利益確定は、所得税を早く払う、次の購入で手数料を再び払うという二つの点において、投資コストを押し上げています。

元来、利益確定とは毎期に定期的な利益を上げないと個人の報酬が確保できない職業人がやっていること。私たちが真似る必要など、まったくない手法なのです。誰にも雇われていないのですから。

2倍になっても売らない投信

長期投資を貫いている私のお客様たちは、次のようなファンドを持っています。

・JPMザ・ジャパン +288%
・フィデリティ・アジア株 +236%
・ブラックロックUSベーシックバリュー株 +221%
※いずれも2014年11月12日現在の直近5年8ヶ月間の基準価額の騰落率です。

投資信託は2倍になったくらいで売っていたらもったいない。ファンドの本場のアメリカには、設定されてから60年も80年も経つファンドが健在です。5倍や10倍になるくらい放っておける長寿ファンドを持ちたいものです。

良い投資信託と永く付き合う習慣を身につけましょう。その方がずっと楽ですよ。

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