競馬/一頭追っかけシリーズ

追っかけシリーズ第8回 ~新たなスタート~

日本ダービー出走の夢は破れ、夏の休養に入ったシャドウダンサー。それから4ヶ月以上経った10月19日、シャドウダンサーは満を持して競馬場に戻ってきました。その復帰戦の模様と、そして次なるレースへの展望をお送りします。

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド

復帰したシャドウダンサーの目標とは

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こちらは3月の頃のシャドウダンサー

日本ダービーの出走を断念し、その後に挑んだ6月7日の「三木特別」でも6着と惨敗してしまったシャドウダンサー。彼は暑い夏の時期を休養に充て、秋へ向けて精気を養いました。

シャドウダンサーのような3歳馬にとって、目標となるのが以下の「三冠レース」。皐月賞、日本ダービーと出走できなかったシャドウダンサーは、当然ながら三冠最終戦の菊花賞を目指すと思われました。

4月20日:皐月賞(芝2000m、中山競馬場)
6月1日:日本ダービー(芝2400m、東京競馬場)
10月26日:菊花賞(芝3000m、京都競馬場)


シャドウダンサーが菊花賞に出るには、春と同様、まずはその出走権を獲得しなければなりません。通常ならば、9月に行なわれる菊花賞の「トライアルレース」に出て、出走権の獲得を目指します。

しかし、9月になってもシャドウダンサーは休養に入ったまま。といっても、ケガやアクシデントがあったわけではありません。そうではなく、陣営はあえて菊花賞を目指さずに、休養を選んだのでした。

「なんで菊花賞を目指さないんだ!」と憤る人もいるかもしれません。何を隠そう、私もその一人でした。しかし、シャドウダンサーにかかわっているのは、まさに日本有数のスタッフ。その人たちが、実際にシャドウダンサーの様子を見ながら、「菊花賞を目指すべきではない」と判断したのなら、それはきっと正しいはずです。という風に、考え直しました。

菊花賞を断念したことは、プラスにも働くはず

菊花賞に出てほしい気持ちはヤマヤマですが、一方でリスクもあるんです。というのも、菊花賞は3000mという未体験のマラソンレース。まだまだ成長期にあたる3歳馬にとって、未完成の段階でこのタフなレースに臨むと、その後に大きな疲労が出てしまうケースもあります。

春のレースを見る限り、現時点のシャドウダンサーはまだ「成長途上」。体が硬く、歩き方がスムーズではなかったり、スタートでダッシュがつかなかったり……。となると、ここで無理して菊花賞を目指すよりは、馬の成長をじっくり待って、しかるべき時期に復帰した方が良いという気もするのです。

それらのことから、私も考え方を変えました。「休養」を選んだこの判断は、必ずやシャドウダンサーの未来を明るくしてくれる。きっとそうに違いないと思いました。

そして10月19日、シャドウダンサーはいよいよ復帰のときを迎えます。次ページでは、復帰戦の様子をレポートします。

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