マサイマラ国立保護区を2つのエリアに分けるマラ川
マサイマラは国立公園ではなく“保護区”です。保護区は国立公園と同様、自然環境の保護政策が取られている特別区域ですが、保護管理は国ではなく地元自治体、保全団体が行っています。保護区を縦断するマラ川を境に、西のマラトライアングルと呼ばれるエリアをマラコンサーバンシーが、東をナロック郡政府が管理しています。■マラ川の東側
ナイロビからの距離が西側よりも近いため、古くから観光に開けていたのが東側です。東のゲート近くには小さな林やヤブ地が転々としており、ここには普段開けた草原には出てこない動物が潜んでいます。ときどきディクディクなど珍しい動物も現われますよ。
マサイマラでは動物を発見したとき、車道を外れて動物に接近してもよいという、“オフロード”が許されていますが、東側では禁止です。とはいえ、道など外れなくたって充分に間近に動物が見られるチャンスはあります。
■ マラ川の西側
マサイマラの西側は、マラ川と西側の崖、タンザニアとの国境に囲まれた三角のエリアで、マラトライアングルと呼ばれています。ナイロビから遠く道が悪いため、空からのアクセスがポピュラーです。サファリカーではなく小型機でアクセスした場合、動物を見に行く“ゲームドライブ”は、ロッジ所有の車で出発します。通常宿泊料金には食事、ゲームドライブがセットになっています。
地図で見ると東側より狭いのが一目瞭然ですが、動物ウオッチングには何の問題もありません。東と同じように様々な動物が見られます。現地のサファリレンジャー、ドライバーさんなどの話を総合すると、クロサイの目撃確率はトライアングルの方が高いようです。
マラトライアングルでは、ライオンやヒョウ、チーターを発見したときのみオフロードが許されてはいますが、25メートル以上離れ、制限時間10分。車は5台までで、他の車は100メートル離れて待つなどのルールがあり、違反するとマサイマラから追放!と厳しく取り締まられています。ドライバーさんがチップ欲しさにルールを破ることもあるようですが、ルール違反者は、もうゲームドライブが出来ないことを肝に銘じておいてください。