風呂掃除のポイント・コツ……毎日使う場所をキレイに
子どもも大人も大好きなお風呂
一般的な家庭用の浴槽に溜めるお湯の量は、1日あたり200~300Lといわれます。その他にも、シャワーを使っての髪の毛や身体の洗浄、お風呂掃除の際にもかなりの量の水を使いますので、お風呂場周りに使われ、流される水の総量は、毎日想像以上に莫大だといえるでしょう。
また、このお湯。ただ沸かして浴槽に溜めたり、洗い場に流したりするだけではなく、「追いだき」という方法で浴槽内でリサイクル・再加熱することも、とくに冬場は頻繁に行われがちですよね。自動的に湯温をセンサー感知し、一定の温度に調整するため追いだきしてくれるような便利なお風呂も、最近では珍しくありません。
このように大量の湯水が日々扱われるお風呂場は、私たちにとって憩いの場であり、同時に「雑菌の天国」でもあります。栄養分、温度、湿度の三拍子が潤沢に存在する場所だからです。
「雑菌」って何?
身体をキレイにする場所だからこそ、キレイな状態を維持したい「お風呂場」
人にとってとりわけ気持ちのいい「お風呂場」が、まさに雑菌の好む場所だというのも、やむなし。特にカビや細菌が多く検出されるのが、以下の場所です。
・排水口(排水溝)部分:細菌にとっての栄養分(石けんカス、垢、ホコリ、泥などの汚れ)と水が集中して流れ込む
・エプロン裏(浴槽カバー)部分:わずかな隙間から入り込んだ汚れ成分と水分が乾燥しにくい状態で残る
・ラック部分:シャンプー成分や石けん成分が多い
・ドアスリットや換気扇フィルター部分:空気中の汚れがひっかかる
やがてイヤなヌメリや悪臭、カビとなって、私たちを不快にさせることになります。結果、気持ちよく入浴している最中にこのような不快を味わいたくない私たちは、お掃除に勤しむはめになるわけです。
しかしお風呂場で雑菌が繁殖するのは、このように分かりやすい場所だけではありません。浴槽内にお湯を送る「給湯設備」の内部などでも、知らず知らず繁殖してしまっていることが最近明らかになったのです。
人の入浴した湯を再加熱(追いだき)する配管内からは、大腸菌群を中心とした各種の雑菌が検出され、その数は築年数の経過した住まいであるほど(給湯設備の古いものほど)増加する傾向にあることが、「衛生微生物研究センター」の調査によって分かりました。
こんなに汚れている!? お風呂の追いだき配管
給湯口から「雑菌」入りのお湯が出てくるのは、イヤなものです
・小学生の子ども2人を含む4人家族で、築1年の住まいに暮らすAさん宅:14個
・ほぼ同じ家族構成で、築10年の住まいに暮らすOさん宅:100万個
これはなかなか、ショッキングな結果といえるでしょう。とはいえ昨今のお風呂の追いだきシステムは複雑な仕様で、その「配管」は物理的に10mを超えるなどとても長いものです。それらの構造は、私たちにとって一種の「ブラックボックス」といって差し支えないようなものです。
実際、お風呂の取扱説明書を見ても、給湯用リモコンの操作説明にページが割かれ、給湯設備そのものの構造についての説明はほとんどないのが現状です。それでいざ汚れていると聞かされても、いったいどうしたらいいのか分からない……というのが、使用者の実情ではないかと思います。
お風呂の配管の掃除方法
さて、このような、ブラシもスポンジも差し込めない「配管」部分の清掃には、市販されている専用の「洗浄剤」を用いるのが、プロによる清掃でも採られている方法です。追いだきの際に付いてしまう湯垢などの汚れを取るためには、洗浄剤入りの湯で追いだき運転を行い、配管内部の汚れを剥がし溶かして落とします。このすすぎにも、さら湯での追いだきを再度行います。専用の洗浄剤は市販されていますので、この掃除にかかる具体的な手間といえば、「追いだき」と「給湯」を繰り返すものだけ。なので、案外難しくありません。
目に見え、肌に触れる不快のもとのみならず、配管内部のような「見えない汚れ」を落とすことで、気分的なスッキリ度がアップすること請け合いです。また、このくらいの手間で済むならば、この配管掃除をもって「大掃除」としてしまう……というのも、決してズボラ過ぎるご提案ではないことでしょう!
【関連記事】