子育て事情/母・妻・女

非婚時代に「自立型お姫様」が結婚相手に求めるもの(3ページ目)

All About生活トレンド研究所の最新調査で男女の結婚しない理由が明らかに。非婚時代と言われる現代、強くて賢ければ男に頼らず生きていけるという「自立型お姫様」たちが増えている中、女性は結婚相手に何を求めているのか。

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド

既婚女性はもう相手にスペックは求めない、
代わりに子育てや仕事への協力度を重視

精神的な繋がり

求めるのはスペックの高さじゃなくて「精神的な繋がり」

All About生活トレンド研究所の結婚観調査では、既婚女性が夫に求めるようになるのは「出産、子育てに関する考え方が近いこと」や「育児への協力」、そして「仕事への理解」だ。夫に求めるのはスペックの高さではなくて、家事や育児、家庭と仕事との両立など、より目の前の問題に一緒に取り組むバディとしての現実的な「協力度」である。

今年の夏、子育て中の既婚者たちの間では「家事ハラスメント」が話題となり、メディアや企業を巻き込んだ大論争となった。旭化成ホームズ「共働き家族研究所」が発表した「夫の約7割が『妻の家事ハラ』を経験している」というキャンペーンに、世間の妻たち、家事を普通にやってのける夫たちから鋭い批判が押し寄せたのだ。この論争のとても興味深いところは、男性側に被害者意識を持ち出してきたところにあった。これまでの社会文脈では、(大げさであるとは百も承知で)女性が「加害者」となり男性が「被害者」となるようなことはまずなかった。なのになぜこんな逆転が起こり、社会現象にまでなったのか。それは、共働き家庭の増加や保育需要の高まりにも見られるように、かつて一部の人々が懸命に叫んだ「女性の労働参加」が現実のものとして進んだ結果、家庭内で夫婦が育児家事労働を共有するケースが驚くほど「フツーのこと」になったからだ。

このような社会で、精神的自立性を持った既婚女性が相手に求めるものは、スペックではなく、家事や育児の協力度、仕事への理解であるという調査結果は納得がいく。

お互いに求める相手像は「ソウルメイト」

ソウルメイト

男女がお互いに求めるもの、それはソウルメイト

また、既婚男性が妻に求めるようになるのは「価値観が同じであること」「思いやりや優しさがあること」「一緒にいて癒されること」であり、より精神的な繋がりを強く求める傾向が加速される。さらに顕著な増加を見せるのは「ユーモアがあること」で、これはひょっとすると円滑な結婚生活の鍵となるかもしれない。

彼らは相手に「協力」や「理解」や「思いやり」や「ユーモア」を求め始めた。つまりは理想の絶対カレシ/カノジョなんかじゃない、ソウルメイトを求め始めたのだが、それは全く不思議なことじゃない。夫婦とは人生というプロジェクトを一緒にやり遂げるチームだからだ。

女が求めるのは「理解」。「論理的じゃない感情的な女の話を聞くのは苦痛」だと苦々しく言い捨てる男に、女は「解決して欲しいんじゃなくて、話を聞いて欲しいって言ってるんだけど!」と憤まんやるかたない。

男が求めるのは「ユーモア」。「茶化して、まともに取り合わないなんて女を馬鹿にしているんじゃないの!?」と憤まんやるかたない女に、男は「イライラと不機嫌をぶつけてくるのではなくて、もっとユーモアを持って優しく接して欲しい」と本音をのぞかせる。

平行線になりがちな男女の会話。でも、偶然にというかやはりというべきか、求めているのは理解でありユーモアであり、つまりはコミュニケーションであることがあぶり出された。それをほぐすようなキーワードを、この調査は提示してくれたような気がする。

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