1カ月のデータから、「何に浪費しているのか」がわかる
続ければ誰でもお金が貯まる
――貯まる習慣づくりの1カ月目は、“シンプルに記録をとって、家計を見える化”させることでした。2カ月目に取り組むべきことはなんでしょうか。
古川武士さん 1か月間計測したデータを見ていくと、自分が何にお金を使ってしまうのか、その傾向がわかると思います。何が原因でどんな解決法が考えられるのかを考えてみることです。次に、貯まらない原因のなかで、一番自分でコントロールしやすく、かつ家計への影響度が大きいものを1つだけ選んで、重点的に節約に取り組みましょう。
間違っても全方位的に節約をしようとしないこと。最初からハードルを上げると節約疲れの原因になり、リバウンドをして浪費に走ってしまうことも多いんです。
――「自分でコントロールできて、家計への影響度が大きいもの」には、例えばどんなものがありますか?
古川 例えば、飲み会の回数が多くてお金を使ってしまっているという人なら、本当に行きたい飲み会だけに絞って、惰性で行く飲み会を断るという方法もあります。あらかじめ言い訳を考えておくのもひとつの手ですよね。洋服代がかさむひとは、買い物に行く回数自体を減らすなど、自分なりのルールを決めることです。
月に1つの「悪い習慣」を見直していく
――会社の通り道だからと、毎日コンビニに寄ってちょこちょこ買いをしてしまう人も多いですね。古川 実は、私も最近水筒を持参しはじめました。節約のためというよりは、冷たい水をどこでも飲めるようにと思って始めたのですが、結果的に節約にも繋がっていますね。
毎日2本のペットボトルが節約できるだけで、月20日としても月に6000円以上、年間7万2000円が浮きますから、その効果は侮れません。毎日なんとなくコンビニに寄るのが習慣になっているなら、ルートを変えてコンビニ通いをやめてみる。月に1つずつ重点的に取り組んで悪習慣をやめていくことで、半年で6つ、年間12の貯まらない習慣を手放せます。記録は、そのまま続けるようにしてください。
――1つずつなら集中しやすいし、我慢もそこまで苦ではないですね。
古川 人間は、変わりたくないという気持ちや変化を押し戻そうとする心の働きがあるので、それに抵抗しないためには、一気に手を付けず、徐々に変わっていくことが重要です。同時に、貯まらない原因が判明したら「自分がなぜそれをしてしまうのか」に向き合って考えることが大切。ストレスや心理的な影響など、根本解決につながる方法をみつけることです。
★最終回は、お金持ちならではの習慣をおうかがいしました!
教えてくれたのは……
古川武士さん
取材・文/西尾英子