紫式部と清少納言
2人の女流作家が向き合う夜
舞台は現代。ある文学賞受賞式前夜のホテルのBarでエッセイストとして名を成した清少納言(斉藤由貴)と「源氏物語」で派手に文壇にデビューした紫式部(長澤まさみ)が待ち合わせをしている。シャンパンの泡が抜けるまで待たされている清少納言。そこに遅れた事を悪びれもせず紫式部がやって来る。どうやらお互い胸に一物を秘めての夜、らしい。(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
2人の口から「和泉式部」や「藤原道長」等の平安単語がポンポン飛び出す中、小道具としてデコったアレやソレが登場するのが面白い!
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
全体の8割は紫式部の”攻め”の芝居。演じる長澤まさみさんのスタイルの良さには勿論、明るい音色の声と立ち姿の美しさ、会話のテンポの良さにも惹きつけられます。終始自分のペースで動くこんな人が周囲に居たらかなり迷惑なのですが、彼女が演じると何もかもが魅力的に見えるという不思議。躍動感&生命力という言葉が何度も頭をよぎりました。
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
業界での自分の立ち位置、才能の有無、未来への不安、恋愛問題、若さへの執着、仕事を続ける意味……こう並べてみると働く女子の悩みや葛藤は平安時代から不変なのかもしれません。
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
なぜ書くのか
なぜ仕事をするのか
なぜ生きるのか
自分にとって大切なものは何なのか
『紫式部ダイアリー』には、そのヒントが散りばめられています。2人の女流作家の、そして2人の女優の”バトル”を是非劇場で目撃して下さい。
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)
◆『紫式部ダイアリー The Authoresses』
作・演出 三谷幸喜
長澤まさみ 斉藤由貴
2014年11月1日(土)~11月30日(日) 東京 PARCO劇場
※東京公演終了後、名古屋・福岡・大阪・松本・広島公演あり
→ 公式HP