主菜・副菜など自分で選べるランチ-取り方に独自ルールも
この日は友人と2人、正午少し前にみますやへと向かいます。雰囲気のある縄のれんをくぐると、これまた歴史を感じさせる天井の高い広い空間が現れます。抑え気味の照明の中、目につくのはスーツやワイシャツ姿の年配ビジネスマン……夜も昼も“お世話”になっているのでしょうか。わたしたちの後にも、次々と男性ビジネスマンが入店してきます。女性客はまばら……典型的な“オジサマのハートを掴んでいる”店ですね。みますやのランチの「取り方」には、独自のシステムがあります。店員に確認できるタイミングであったり、自分のすぐ前に通い慣れているような方がいる場合であれば問題ありませんが、1人で入店し勝手がわからないと、少しオロオロするかも知れません。わたしの1回目はまさにコレでした(笑)。
店に入ったら中央付近まで進み、時計回りに“回る”ことを覚えておいてください。まずはお盆と湯呑みを取り、料理皿がずらりと並ぶ大テーブルを眺めます。ここで、10種類以上ある主菜から1つを選びます。一例ですが、「ホッケ」(800円)、「カキフライ」(950円)など選んだ主菜で基本のセット価格が決まります。
次に主菜の左に並ぶ副菜を選びます。1品だと無料、もう2品以上取ると別途料金が追加されます。続いて背後にあるキッチン前から、味噌汁と漬物を取ります。(同じ場所に追加メニューの「生卵」が目に入り、わたしは思わずお盆に載せました)。そしてゴール地点となる炊飯器のある場所で店員の方に白飯をもらい、その場で会計を行います。
白飯は茶わんではなく大きな丼ですので、基本は“ガッツリ男メシ”のように盛られます。目の前でよそってくれるので、「ゴハン少な目で」「もう少し減らして」「もうちょっと入れて」など、自分の体調などに合わせて気軽にオーダーすることができます。会計後は店内の好きな席に座ります。
この日わたしは「ホッケ」(800円)に「生卵」(50円)を、友人は「鮭ハラス」(800円)をチョイスし、長いテーブル席に腰を落ち着けます。周囲を見渡すとみんな思い思いのものを取って食べています。品揃えを考えると、相当組み合わせのパターンがあり、自分なりの献立を楽しむことができますね。
白飯は少し柔らかめ。主菜・副菜ともまずます量があり、どこかホッとする素朴な品々です。ちなみにキッチン前で、明太子を追加でもらうやりとりの声が聞こえてきます。“慣れている”方でしょうか。料理の取り方をはじめ、ランチに関する全容がわかる掲示物が店内に無いので、店員や常連客が“先生”となります。次回は「キッチン奥に声をかけて」明太子の追加をマネしてみよう……そんな思いになりました。
ほぼ1000円以内に収まる良心的な価格設定
3回目の訪問は1人で13時頃に伺います。この日は、ちょうど焼きたての塩鮭が出てくるタイミングと重なり、(鮭好きなので)そのままゲット。副菜には青菜のおひたしを取り、キッチン奥にいる店員に向かい大きな声で明太子の追加オーダーをします……前回学んだことをしっかり実践。白飯をガッツリ食べられる“布陣”を整えます(笑)。この日は焼き鮭の定食セット料金の800円に、プラス「明太子」(100円)で、トータル900円です。多くの人が1000円以内に抑えることができ、お腹いっぱいになれるみますや。老舗店巡りをしていて、“ここは結構いい値段するなぁ。歴史代金込みかなぁ”という印象を受ける店が多い中、良心的な価格設定の店だと思います。大衆酒場を自認している同店。夜のメニューの価格を見ても、500円前後のものが多く、飲みに来てみたくなりますね。
明治時代から都心部で営業を続ける渋い居酒屋で、ランチはいかがでしょうか?
■みますや
・住所:東京都千代田区神田司町2-15-2
・TEL:03-3294-5433
・営業時間:11:30~13:30/17:00~23:00、土曜は17:00~22:00
・定休日:日曜・祝日
・地図:Yahoo! 地図情報