生体リズムを刻む光
自然光は朝から夜にかけて明るさと光色の変化があり、そのような光の変化に私たちの心身は適応できるよう進化してきました。毎日浴びる光の量や光色が私たちの健康に左右するホルモン分泌や自律神経系に影響を与えています。人は1日およそ24時間の体内時計を持っています。人によってその時計が微妙に異なります。地球の自転速度に近い24時間の体内時計を持っている人は、規則正しい生活をしていれば、比較的苦労することなく、毎日同じ時間に寝起きすることができます。
しかし、体内時間のずれている人は日毎に寝起きの時間に変化が生じ、その蓄積が結果的に睡眠障害に陥りやすくなります。そのずれをリセットしてくれるのが光なのです。
目に入った光は網膜で電気信号に変換され、視神経を経由して脳に伝えられます。そして脳の中枢である下垂体と松果体や視床下部を刺激して、主要なホルモンの分泌や自律神経系の働きを促します。自律神経には人の活動や緊張を高める交感神経と休息を促す副交感神経があります。
図1. 生体リズムとメラトニン分泌の関係図(イメージ)
LED照明の基本と仕組み(秀和システム)参照
例えば、日の入り前後の太陽光は電球のような暖かい光になります。その時、人は生産活動から解放されて、リラックスできる態勢に入ります。つまり副交感神経が優位に働くようになるのです。
逆に朝から日中にかけての太陽光は白く明るく輝きます。このような光のもとでは、多くの人は生産活動に励んでおり、自律神経の中で交感神経が強く働いていると言えます。
次のページでは「睡眠ホルモンのメラトニンと、光の関係」についてご紹介します。