2014年11月のオススメ展覧会・美術展
寒さがひしひしと感じられる季節になりました。外出したいけど、寒いのはちょっと…、という方は美術館やギャラリーへどうぞ!
「芸術の秋」、とくに文化の日がある11月の展覧会は、どの美術館も気合をいれたものばかり。じっくりおたのしみいただけるはず。
◎2014年11月のオススメ美術館-目次-
京都国立博物館(京都):修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺
国立新美術館(六本木):チューリヒ美術館展ー印象派からシュルレアリスムまで
町田市立国際版画美術館(町田):鬼才の画人 谷中安規展 ―1930年代の夢と現実
LIXIL ギャラリー1(銀座):建築の皮膚と体温-イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界- 展
中村屋サロン美術館(新宿):開館記念特別展 中村屋サロン ―ここで生まれた、ここから生まれた―
ほんとうに800年前の絵!? うさぎもカエルもおひろめ中!
京都国立博物館(京都):修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺
だれもが一度は目にしたことがある国宝『鳥獣人物戯画』(高山寺蔵)。日本人のマンガ好きの原典ともされるこの絵巻は、じつは甲巻、乙巻、丙巻、丁巻の4巻に分かれ、それぞれが長さ10メートルにおよぶ大長編です。カエルやウサギ、サルなどの動物たちが、相撲をとったり、おいかけっこをする姿は、平安時代に描かれたとはおもえないイキイキとしたさま。現代のわたしたちでも、カエルやウサギをここまで上手に、そして表情豊かに描ける人は少ないはず!
そんな『鳥獣人物戯画』、このたび4年がかりの修復を完了。全四巻をこの展覧会で初めて一挙に公開、さらに高山寺に伝わる寺宝も展示しています。
10月から大人気の展覧会ですが、11月からはじまる後期では、教科書などにも登場する、思わず笑顔がこぼれるおなじみの場面の展示がスタートしました!
画集やインターネットではなく、実物の絵巻物を観られる利点はやはり、「ひとつづき」であるところ。ひっくりかえったカエルの場面の右側には、サルが追い掛け回されている画面が続き、巻物のなかに時間と物語が流れていることがわかります。
動物たちのコミカルな表情や動きを一体ずつじっくり見るのも楽しいですし、長い巻物のなかに綴られているストーリーを堪能するのも一興。
この『鳥獣人物戯画』を現代まで大切に保管していた古刹、高山寺が持つ数々の至宝も展示。とくに『国宝 華厳宗祖師絵伝』も必見です!
■展覧会DATA
展覧会名称:修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺
会場:京都国立博物館 明治古都館(本館)
会期:2014年10月7日(火) ~ 11月24日(月・休)
開館時間: 9:00~18:00
※11月7日(金)までは9:30開館、11月8日(土)から9:00開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
※ただし、10月13日、11月3日、11月24日は開館し、10月14日、11月4日は休館
Web: http://chojugiga-ten.jp/
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