疲労回復法/疲れの原因・疲労度チェック・関連する病気

深刻な眼精疲労 その原因と予防法は?

目の痛みや疲れのみならず、頭痛や吐き気、そして仕事への支障も……つらい眼精疲労の原因と予防法についてお話ししましょう。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

いつのまにか「眼精疲労」に!?

目の痛みから体調不良が広がり仕事に支障がでることもあります

目の痛みから体調不良が広がり仕事に支障がでることもあります

ゆっくり休息をとることで回復がみられる「目の疲労」とは違い、眼科の受診が必要になるとても厄介な「眼精疲労」。「今までは、一晩眠れば翌朝には目の不調も回復していたのに、気付けば寝ても覚めても目がイタイ!見えにくい!」と仕事への集中力も欠いてしまうほどの不調に見舞われる場合があります。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?

考えられる原因はいくつかあります。眼精疲労の症状は、何か疾患が関与しているケースもあるため、原因を考える際にはまず疾患によるものではないかを確認する必要があります。思いがけず疾患が隠れて驚いた!でも、そのおかげで治療をスタートさせることができた、という人もいます。


やはりパソコン使用で目の不調を訴える率は高かった!

私が相談を受けるケースでも、目の痛みや充血、かすみ目といった目の症状や肩こり、頭痛、不眠、身体のだるさを感じるようになったのは、長時間パソコンで仕事をするようになってからと答える人が多いように感じます。

厚生労働省の平成20年技術革新と労働に関する実態調査結果の概況の中で、「身体的な疲労や自覚症状」についての統計が発表されています。そこでは、VDT作業で身体的な疲労や症状を感じている労働者の割合は68.6%であるとされています。そのうち、身体的疲労や症状の内容というものがあるのですが、1位は何と……「目の疲れ・痛み」で90.8%にも上るという結果に!

2位は「首、肩のこり・痛み」74.8%と、これもまた目の疲れや痛みと同時に訴えることの多い症状ですね。1日の作業時間が長くなるほど、身体的な疲労や症状を感じる割合が高まるといったことが言える結果となっています。


眼精疲労の原因はこんなに身近なことだった!?

近視が進んでいたりと目に問題があるかもしれません

近視が進んでいたりと目に問題があるかもしれません

パソコン使用やスマホなどの画面を集中して見る時間の増加は、予想以上に目を酷使していることが考えられます。疲労が回復しないうちに、また目を酷使……ということを毎日繰り返していると、眼精疲労の招くベースが出来上がってしまう可能性があります。

目を酷使する環境で過ごしているといった身近な問題以外にも、眼精疲労の原因となるものがあります。主な原因を下記にまとめてみましょう。

  1. ドライアイ
    集中して画面を見ていると、まばたきの回数が減少することがあり、目が乾きやすくなってしまいます。また、心身の緊張が続くストレス状態においても、涙の分泌量が減る傾向にあり、目が乾きやすくなる心配もあります。進行すると角膜が傷つくことも
  2. 視力に問題あ
    近視、乱視や老眼の進行に気が付かないで過ごしている場合、ピントを合わせる働きをする筋肉の疲労を招きます
  3. メガネやコンタクトレンズは大丈夫?
    メガネやコンタクトレンズをつくったのはいつですか? ずいぶん経つなぁ、という人は一度、検査を受けてみましょう。左右の視力に差が大きくみられる場合は要注意です
  4. 目の病気
    白内障や緑内障といった目の疾患により眼精疲労をおこすことがあります。眼科での検査が必要になります
    ※白内障……水晶体が白く濁り、視力低下がみられます
    ※緑内障……視神経に障害をきたし、視野が狭くなります
  5. 過労・精神的ストレス
    目を保護するためにも重要な、涙の分泌や物を見る際にピントを調整する機能などは、自律神経系の乱れにより悪影響を及ぼしやすいです。過労やストレス状態が続くと、自律神経系がアンバランスになり、心身の緊張状態から解放されず、眼精疲労につながる可能性が高まります。


眼精疲労の対策・予防方法とは?

温かいタオルと冷たいタオルを交互にまぶたへ乗せる疲労解消法もあります

温かいタオルと冷たいタオルを交互にまぶたへ乗せる疲労解消法もあります

すでに何か症状が出ている人は、医療機関を受診しそれが疾患が関わるものでないことを明確にさせましょう。上記の原因を参考にしていただき、目を使う時間の調整や目を酷使する環境(部屋の明るさ、ディスプレイの角度、部屋は乾燥していないか? など)も整えてみましょう。

  1. まぶたを温める
    人間の五感の中で、視覚情報が占める割合は80%を超えていると言われています。もともとは疲労に強いとされている「目」ですが、現代の情報量・刺激の多さに疲労が蓄積されやすくなっているのです。目の疲れを感じる前に、蒸しタオルやホットアイマスクなどをまぶたに乗せ、温めて血流アップ&リラックスを促しましょう
  2. やはり休息は基本! しっかり休ませよう
    パソコンに向かう時間は、可能であれば1時間毎に10分ほど休息をとることが理想的です。ですが、忙しくて気づいたら2時間経過していた、なんていうこともあるかもしれません。目を閉じて、深呼吸を5回繰り返しリラックスを促します。そして、窓から外の遠くを眺め、目の筋肉をリラックスさせましょう
  3. 気分をスッキリさせる
    心も体もスッキリさせることができる趣味などはありますか? できれば、景色を楽しむことができる場所で、散歩をしたり軽くジョギングをしたりと体を動かすことができると、自律神経系を整えやすくなります


■眼精疲労についての基本記事はこちら
その症状は目の疲労?それとも眼精疲労?
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