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PDCAサイクル回せると、ゲームは面白くなる?(2ページ目)

PDCAサイクルという言葉をご存知でしょうか。ビジネスマネジメントに関わる用語で、PはPlan、計画ですね、DはDo、実行、CはCheck、評価、AはAct、改善。この4つのサイクルを繰り返していくことにより、製品の品質向上などに役立てる手法です。しかしこれ、ゲームプレイにも共通しているところがあると、思いませんか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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グラビモスを倒すためのPDCAサイクル

プレイヤー達の図

倒せない、となった時、みんなでなぜ倒せないか、どうしたら倒せるかを考えるのも、モンハンの魅力です

例えば、グラビモスというモンスターがいます。巨大な岩のようなモンスターで、非常に硬い甲殻で体を覆っています。多くのハンターがまず困るのは、その堅牢な体に刃が通らないという事態。敵が硬いとダメージがあまり与えられず、刃が通らず攻撃がはじかれると大きな隙ができるので、非常に戦いにくくなります。

PDCAサイクルに当てはめていってみましょう。まず最初の目標と計画は「グラビモスの狩猟を目的とし、4人でタコ殴りにして倒す」。これを実行してみると、攻撃が通用しなくて大苦戦をするわけです。そこで「敵の肉質が硬くて、刃がはじかれてしまい、まともに攻撃ができずに狩猟失敗」という評価をします。タコ殴りにする計画だったのが、相手が硬すぎてタコ殴りにできなかった、計画通りにいかなかったというわけです。そこで「比較的肉質の柔らかい弱点に絞って攻撃」という改善を考えます。ここでPDCAサイクルが1回転です。

目標はグラビモス狩猟のままですが、改善点を元に行動計画を立て直します。どうやら胸からお腹あたりが弱点のようで、この部分を破壊すれば随分と刃が通りやすくなるという情報を仕入れます。そこで「胸からお腹を集中攻撃してグラビモスを狩猟」という計画で、実行をしてみると、やっぱり倒せません。評価は「弱点と言えども手持ちの武器ではお腹すら中々破壊できず、失敗」ということになります。そこで「武器で斬る以外の攻撃を活用する」という改善点を検討します。

さあ、そろそろ情報が揃って来ました、ここでPDCAサイクルをもう1回転。

自分でPDCAサイクルを回して到達するクリアは最っ高に気持ちいい

モンスターハンターの図

試行錯誤の末の勝利は格別です

2度も失敗したところで、そろそろ倒したいですよね。どうにも武器ではなかなか斬れない、そこで今度はお腹を強力な爆弾アイテム「大樽爆弾G」で破壊することにします。大樽爆弾Gの爆発を的確にグラビモスの胸やお腹にヒットさせるには一時的に動きを封じる必要があります。麻痺や、落とし穴などの方法もありますが、より効果的なのは睡眠です。眠らせた状態のモンスターには通常よりも大きなダメージを与えることができます。

睡眠効果のある武器眠らせてから大樽爆弾Gを使うという流れをすぐに考え付きますが、ここにも問題はあって、睡眠効果のある武器の刃がそもそも通らない、という話がでてきます。そこで、登場するのがライトボウガンや弓などを使うガンナーです。睡眠弾などを撃って眠らせてもらいましょう。

というところで計画はこうです、まずガンナー以外はあまり積極的な攻撃はせず囮になって逃げ回る。その隙にガンナーが睡眠弾で攻撃。眠ったらみんなで大樽爆弾Gを仕掛けて胸からお腹にかけてを破壊。弱点部分に刃が通るようになったところで、全員で本格的に攻撃を仕掛け、グラビモスを狩猟します。

巨大な岩のようなモンスターに対峙して、「うわー、ヤバイ、全然刃が通んないよ」なんていうところから、PDCAサイクルの中で現状を分析し、作戦を練って、最後にみんなで協力してそれが実行できるところまでいくと、ゲームは最っ高に面白くなります。
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