妙に気になったことなど
『ベイブルース~25歳と364日~』の内容とは直接関係のないことかもしれませんが、大阪を舞台にしたこの作品を見終わった時、不思議に感じたことがありました。作品世界の中にほとんど東京が出てこないのです。大阪オールロケなので、場面として東京が出てこないのは当然ですが、これから漫才でトップを目指そうという主人公達が、東京というものを視野に入れていない。彼らの言う「漫才で天下を取る」の天下とは、あくまでも大阪を中心としたもののようです。
CDデビューを果たしたベイブルースが、目標を訊かれる場面がありますが、その答えが「シャ乱Qを超えること」。当時のシャ乱Qは関西では絶大な人気を集めていたものの、全国的にはブレイク前で、CD売れ行きさえも大阪基準で考えてしまう。これはベイブルース高山監督の考え方というよりも、大阪人全体の気質なのかもしれません。
などと、意外な東西比較文化研究も楽しめる『ベイブルース~25歳と364日~』。10月31日(金)より、角川シネマ新宿、TOHOシネマズなんば他で全国公開です。お笑いファンはお見逃しなく。