食器洗い機(食洗機)選びのポイント
食洗機で洗えないものと注意点
家庭用食器洗い機(DW)は新築住宅やキッチンリフォームの必需品のひとつで、国産、輸入品などいくつものメーカーから選択することが重要な作業ですが、何処の商品を選ぶときでも必ず守っていただきたいのが「実際に運転して洗い上がりから乾燥具合までを確認すること」です。
一般的なキッチンショールームには給排水設備がなく、食器洗い機をはじめとして高価な機器類を実際に運転しないままで選んでおられる方が非常に多いことが残念です。キッチンショールームの機器が実際に使えるようにすることは,メーカーの義務とも言えるでしょう。
食器洗い機の運転は短い機種でも1時間以上、長い機種では2時間以上も運転しないと1サイクルの運転を終えることができません。ショールームで選ぶ時には、それだけの時間を確保した上で実際に食器や鍋類を入れてフルサイクルの運転をしてもらって、納得してから食器洗い機を選んでください。
フリースタンディングでキッチンの横に配置したASKO食器洗い機
DWのバスケットは機種選定の重要なポイント
バスケットを引出し汚れた食器を満杯に並べてドアを閉め、運転を始めてからの運転音も実際に使いはじめてから気づくことが多いものです。
国内では、45cm幅の食器洗い機が主流ですが、小さな容量なので食事のたびに運転している方が多いのですが、海外では60cm幅の食器洗い機を使って一日分の食器をまとめて洗うことが当たり前です。
沢山溜まった食器洗い機を夜の間に運転して、翌朝洗い上がって乾燥した食器を食器棚に戻すのが一番経済的でエコな食器洗い機の使い方です。
最近は鋳物ホーローの鍋を使われる方も多く、バスケットに重量のある鍋や食器を満杯に並べて出し入れすると、脱輪してしまう機種もあります。バスケットのスライド具合が安心できるかどうか、長期間の使用に耐えられるバスケットの構造やスライドレールの品質は重要な選定ポイントです。
食器洗い機の下段バスケットは耐荷重性能も重要なチェックポイント
食器洗い機(食洗機)で洗えないもの……フライパン等は?
実際に食器洗い機を使いはじめた時の注意点は、食器や鍋の材料によって食器洗い機が適していない材料があることです。代表的な材料がアルミです。アルミ製の鍋や食器、ボウルなどは食器洗い機では不可です。取り出した時に愕然とするほど、アルミは黒ずんで光沢も無くなってしまいます。一見しただけではステンレスかアルミか区別しにくい場合もありますが、重さを比べるなどで確認して、ステンレス製なら大丈夫です。
最新の低温長時間調理器Sousvideの蓋がアルミ製だった!
Sousvideの蓋を食器洗い機で洗ったら無惨な状態になりガッカリ!
勿論、本漆の容器や食器や箸なども65度以上の高温で洗浄・乾燥しますから不可です。
金器、銀器、錫器なども食器洗い機では洗わないようにしましょう。我が家では金のモールを使ったコーヒーカップやティーカップを食器洗い機で洗っていますが、この程度のモールだと気になりません。
金モールのティーカップ,この程度なら食器洗い機で洗っても気にならない
もうひとつ忘れてならないのは、テフロンなどのフッ素樹脂加工をしたフライパンや鍋類です。これらの調理道具はフッ素樹脂が食器洗い機の洗剤に含まれるジフに似た研磨剤のために表面が削られ、フッ素樹脂の効果が無くなってしまいます。
ティファールの把手の取れる鍋が人気があるようですが、アルミ製の鍋の表面にフッ素樹脂加工を施してあるので,食器洗い機では洗わないようにしましょう。
フッ素樹脂加工したフライパンも食器洗い機は不可!
また,鉄製のフライパンや鍋も要注意です。使いはじめに表面の塗料を焼き切ったあと黒皮と呼ぶ表面にしてから鉄のフライパンを使うのが原則ですが、フッ素樹脂同様に表面の黒皮が削られて、錆が浮いてくるようになります。
食器洗い機で鉄鍋やフライパンを洗ったあとは必ず油引きをして錆が浮かないようにして使いましょう。
鉄製フライパンも食器洗い機で洗うと黒皮が無くなって錆が浮いてくる
以上、機種選択の注意事項や洗えない食器の数々を取り上げましたが、使いこなせばこれほど日々の暮らしに役立つ機器はあまりないでしょう。
国内での食器洗い機の普及率は30%を切ったままですが、その一番の理由は勧められて採用したが、実際には手洗いのほうが手軽!という理由です。
実際にショールームで食器洗い機を販売している担当者や、営業マン、そして設計に織り込んでいるデザイナーや設計者の皆さんがほとんど実際に使ったことのない食器洗い機をすすめている訳ですから、その点を充分に理解した上で機種選定をし、使いこなすようにしてください。
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