この分野は範囲が広く、いろいろな角度から出題されます。また、医療系の法定資格所持者であれば違和感がない問題でも、福祉系の法定資格所持者や実務経験者の場合は、医療用語に戸惑うこともあるでしょう。
保健医療サービス分野の総評
出題傾向は例年どおりです。感染症、薬剤、うつ病、BPSD等は昨年も出題されていたので、続けて受験している人や過去問をじっくりと理解した人はこの分野の難易度が低かったのではないでしょうか。ただ、通所リハビリテーションなど、介護保険の算定方法についての細かい部分の理解がないと解けない問題もあり、この部分については昨年と比較して若干難易度が上がった気がします。もう一点は、出題傾向に変化がなくても、内容に幅がありますのでより広く理解する必要があります。今回、ワクチンに関する問題が出ましたが、現在エボラ出血熱が問題視されていることから、感染症についての理解も必要になると思います。具体的には感染症の分類の理解と国がどのように対応をするのかといった点です。エボラ出血熱やSARS、ペストは1類感染症です。1類感染症になると隔離措置や交通の制限措置等の対応も行われます。
保健医療サービス分野の解答予想
保健医療サービスは難解な問題がありました。各問題の考察
基本テキスト、過去問の反復が重要
BPSD(認知症の行動・心理状態)についての問題です。近年、周辺症状からBPSDに変わったことで出題されるようになってきました。中核症状との違いを理解していれば難しい問題ではありません。
■問27
老年期うつ病についての問題です。うつ病についても順当です。高齢者の自殺者数についての理解があればそれほど悩む問題ではありません。
■問28
疾病の説明についての問題です。この問題は難易度が高いと思われます。暗記できている人は別ですが、推測で正解を考えることが難しく、正答率が低い問題と思われます。
■問29
高齢者に接種が推奨されるワクチンについての問題です。病原体やウイルスの問題はあってもワクチンについての出題はレアと思います。ただし、難易度は低く、インフルエンザと肺炎球菌ワクチンの同時接種が分かっていればそれが答えになります。
■問30
呼吸管理についての問題です。出題頻度が高いです。難易度は高くありません。
■問31
高齢者の飲酒問題についての問題です。レアな問題ですが、さほど悩まない問題です。
■問32
褥瘡についての問題です。出題頻度は高いです。褥瘡の皮膚マッサージの禁忌については何度か出題されているので、よほどマッサージして欲しくないことを訴えているのだと思います。
■問33
医療全般についての問題です。一般的な知識があれば特に問題はありません。
■問34
高齢者の栄養・食生活についての問題です。難易度が高く、栄養素等を理解していないと難しいと思います。
■問35
食事や口腔ケアについての問題です。一般的な知識や理解で問題はありません。
■問36
訪問看護についての問題です。出題頻度も高く、理解しやすいと思います。ただし、過去問と違う問題ですので、付随する制度を理解していないと難しい問題となります。
■問37
高齢者虐待についての問題です。難易度は低く、一般常識のみでも正答率が高いと思います。
■問38
介護保険施設等についての問題です。これも、消去法で残ったものが正解となる比較的易しい問題です。
■問39
介護老人保健施設についての問題です。細かい制度の理解は必要ですが、クリアしやすい問題です。
■問40
介護保険施設全般の問題です。療養通所介護の理解があれば易しい問題です。
■問41
若年性認知症についての問題です。認知症の理解のみでは難しく、若年性認知症についての知識が必要になります。
■問42
感染管理についての問題です。出題頻度は高いです。例年通りの内容なので特に問題はありません。
■問43
終末期ケアについての問題です。これも例年どおりです。
■問44
薬剤の管理についての問題です。薬剤といっても副作用の知識等ではなく、基本的な内容になっています。
■問45
リハビリ等についての問題です。専門性が高い訳ではありませんが、加算の算定基準等を理解していないと解けません。
○他の問題については以下のリンクからご確認ください。
第17回ケアマネジャー試験の解答予想 介護支援分野
第17回ケアマネジャー試験の解答予想 保健医療サービス分野(本記事)
第17回ケアマネジャー試験の解答予想 福祉サービス分野
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