食と健康/胃腸の健康を守る食事・レシピ

知ってる?ビフィズス菌と乳酸菌の違いとは(2ページ目)

近年、腸内環境を整えることが心身の健康維持・増進に関わっていることが明らかになってきました。腸内環境を改善するには、乳酸菌やビフィズス菌の摂取が役立つことはよく聞く話です。ところで、あなたはビフィズス菌と乳酸菌の違い、きちんと理解していますか。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

ビフィズス菌に期待されている機能性とは?

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ヨーグルトや乳酸菌飲料の中にも「ビフィズス菌」入りのタイプがあります。

ビフィズス菌の性質は乳酸菌同様に乳酸をつくることに加え、酢酸をつくり出すことにあります。腸の中で悪玉菌が増えると、腸内でアンモニア、インドールなどの有害物質が増えますが、乳酸・酢酸が増えることで悪玉菌の増殖を抑える作用があると考えられています。

悪玉菌が減り腸内環境が整った際に便秘や下痢の予防・改善に作用することについては、ヒトレベルの研究報告があり、特定保健用食品に認定されている製品もあります。

また免疫器官である腸管をビフィズス菌が刺激し、免疫力を高めウイルスなどの感染を防御する働きがあります。独立行政法人理化学研究所では、ビフィズス菌がつくりだす酢酸が腸管上皮細胞に作用し、腸管出血性大腸菌0-157の感染抑止に役立つという報告をしています(マウスレベル)。発ガン抑制、花粉症などを初めとするアレルギー症状の改善など、免疫系の疾患に影響するという研究報告もあります。

他にも、コレステロール吸収を抑制して動脈硬化性病変を減少、脂質代謝改善効果、またヒトのビフィズス菌は葉酸を活発に産生することなどの報告もあります。

食品にするには難しかったビフィズス菌

私たちにとって、乳酸菌といえばヨーグルトや発酵乳などが親しみやすい食品ですが、実はビフィズス菌は食品として加工するのは、本来はたいへん難しいことでした。

というのは、前述したように乳酸菌とは異なり、ビフィズス菌は酸素があると生育できないためです。酸素の影響を少なくする製造方法、酸や酸素に強く生きて腸まで届くビフィズス菌の開発や、また乳酸菌と合わせて発酵する技術、容器の開発などといった、メーカー各社の創意工夫、高い技術により、ビフィズス菌を食品として手軽に摂ることができるようになったのです。

乳酸菌の仲間なのだから、ヨーグルトなどの発酵食品を作るのは簡単だと思っていたガイドにとって、これまで気にも留めないことでしたが、これも食品メーカーの優れた技術によるものだったということを、改めて理解できました。

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