江戸を愛する自由人 遠山金四郎
【ドラマにおける金さんの特徴】1. ユーモアがありコミュニケーション力が高い
2. フットワークが軽い
3. 潜入捜査が得意で、迫力ある殺陣を展開する。
【ドラマにおける金さんの魅力】
北町奉行として数々の事件を解き裁く遠山景元がモデルとなった遠山金四郎は、自分の目で確かめないと気がすまない行動派です。潜入捜査に踏み切る一方、身分を隠して町人文化をエンジョイする自由人。誰の言葉にも耳をかし、分け隔てなく様々な立場を理解し、その人にとって最適な方法を探り解決できる才気あふれる人物です。また、身体能力、対人能力、問題解決能力が高いものの、それを鼻にかけない親しみやすさも魅力のひとつでしょう。
金さんはテレビドラマの面白さをフル活用したエンターテイメント作品です。「誇張」や「不自然さ」もここまで突出すると、愉快痛快の面白さへ昇華します。
金さんのストーリーは、おおよそ以下のパターンです。
街で情報収集(悪事発見!) → 潜入捜査開始 → 悪事の現場に突入 → 桜吹雪を見せながら斬りまくる → 裁判開始 → 悪人たちがシラを切る → 桜吹雪を見せ、判決を下す本人が証人であることを知らしめる → 悪人諦める → 判決(一件落着) → 被害者たちに労いと励ましの言葉をかける → めでたしめでたし
こういったワンパターンを受け入れない限り、エンタメ型の時代劇は楽しめません。「どうせまた同じなんでしょ」ではなく「待ってました!」の気持ちで見る方がグッと盛り上がりますね。
【金さんはどう演じられてきたのか】
松方弘樹(『名奉行 遠山の金さん』)や杉良太郎(『遠山の金さん』)の金さんは少しチャラさを感じますが、曲線的で芸術的な魅せる殺陣はさすがのひと言。表情の作り方なども時代劇ならではアクの強さで、わかりやすさも俳優の力量と言えそうです。
裁きの時、シラを切る悪人に対し花吹雪を見せる構えは松方弘樹の傾斜度が一番大きく、次に杉良太郎。上半身がほぼ真っ直ぐの中村梅之助(『遠山の金さん捕物帳』)や市川段四郎(『ご存知遠山の金さん』』、松平健(『遠山の金さん』)は不良っぽさも控えめと言っていいでしょう。桜吹雪の色合いや決め台詞などにも違いがあり、それぞれに金さんらしさがあります。