奥の細道を感じる草加宿おすすめの観光コース
日本の旅人として最初に思い浮かぶ人物は、松尾芭蕉でしょう。江戸時代に徒歩で日本国中を巡り、奥の細道を書いたことはあまりに有名です。時間さえあれば、芭蕉の辿った道を自分の足で制覇したいものです。でも残念ながら体力には限界があります。スポット単位で奥の細道体験をしてみるのはどうでしょうか。江戸深川を旅立ち日光街道を奥州に向かった芭蕉は、草加宿にも立ち寄りました。現在の草加市には江戸時代に宿場町として栄えた名残がとどめられています。芭蕉の歩いた道には豊かな旅情が溢れます。今回は「奥の細道」を書いた松尾芭蕉も立ち寄った草加宿のおすすめ観光コースを紹介いたします。
おせんさんの像が出迎える草加駅
浅草から東武線を利用すれば約20分で草加です。東口広場の一角に、せんべいを焼く女性の像があります。草加せんべいの産みの親「おせんさん」の像です。全国に知られる草加の名物・草加せんべいは、江戸時代に団子屋のおせんさんが、売れ残った団子を潰して乾かし、焼き餅として売り始めたものなのです。おせんさんは今でも草加駅の前で、アイロンのようなもので団子を潰しながら、せんべいを焼いています。駅前のマルイの裏から駅前一番通りに入ると、草加歴史散策の始まりです。観光用のポスターや看板がいたるところで目に入り、旅心がそそられます。まちかど案内所の幟(のぼり)が立つ店では、地元の方が観光スポットを丁寧に説明してくれます。
草加宿を開いた大川図書が創建した東福寺
駅から北に約500メートルのところに東福寺があります。京都や奈良の寺院のような知名度はありませんが、草加宿の開宿に尽力した大川図書が、1606年に創建した寺院なので立ち寄ってみたいところです。江戸時代後期に建造された本堂、山門、鐘楼には歴史と伝統が漲っています。草加の宿場町を作り上げた大川図書は境内の墓で眠ります。町屋建築を利用した草加宿神明庵
東福寺の境内を横切って進路を東に変えます。最初に交差するのが旧日光街道です。宿場町の面影を残す白壁土蔵の商家の姿を眺めながら北に約300メートル歩きます。すると、左手に町屋建築の建物が見えます。草加宿神明庵の1階は観光案内所と休憩所になっており、2階にはギャラリーを備えています。喉が渇いているときは、無料のお茶で一息つけます。次ページは松尾芭蕉の像が建つ札場河岸公園へと向かいます。