お好み焼きの上で『おどるカツオブシ』
テーブルの上にホットプレートを広げ、今日はお好み焼きパーティー。焼いた生地の上にソースとマヨネーズをかけたら、花かつおの登場です。お父さんが右手にあふれんばかりのたっぷりのカツオブシをつかんで生地の上にのせようとするさまを、家族が見守ります。こんなシーンから始まる絵本『おどるカツオブシ』。子どものころだけでなく大人になっても、お好み焼きの上でひらひらと揺らめくカツオブシの姿に「踊ってる~」と思う方は少なくないのでは!? そんなカツオブシの様子を歌仕立てで楽しく描く、陽気な絵本。読み聞かせでも盛り上がりそうですね。
目の前でお好み焼きを作る様子を見たのは初めてだったのでしょうか。主人公の「ぼく」は、お好み焼きの上でフラフラと踊る大量のカツオブシに目を見張ります。さあ、それからはカツオブシのお祭り。「おどりゃんせ」「かつおぶし」の文字が入ったたくさんの提灯がぶら下がる中でお好み焼きの外に躍り出るカツオブシたち。完全に主役はカツオブシです!
ところでカツオブシってどうやってできるの?
ところで、料理の中に何度となく登場しているカツオブシでも、あまりにその存在が自然で、カツオブシがどうやってできるかについては、特に親子で話したことがないかもしれませんね。絵本は、踊るカツオブシの大群とその中で圧倒されながら一緒に踊る家族たちのシーンから一転、カツオブシができるまでのお話に切り替わります。大海原をのびのびと泳ぎ、人間に食べられるのなら、せめて生かしたサシミになりたいと願っていたカツオたち。そのカツオたちが自分たちの運命を受け入れて張り切ってカツオブシへと姿を変えていく様子が、躍動感いっぱいに描かれます。