被虐待児症候群・児童虐待とは
虐待は救急を要することがあります
被虐待児症候群・児童虐待の種類
■身体的虐待基本的に、子どもに対する暴力です。子どもの失敗や過失などに対して、しつけという形で暴力が始まり、エスカレートしていくケースが多いです。さらに、理由無く暴力になることもあり、その認識に乏しいこともあります。
「しつけ」は、社会のルールの中で生きていくために必要なことを教えていくために必要で、子どものために行う教育であって、そこには子どもを想う気持ちがありますが、虐待には子どもを想う気持ちが欠如しています。多くは、不自然な打撲、骨折、内出血、火傷のあとなどから発見できます。致命的な外傷になることもあります。
■養育の拒否、放棄、怠慢、ネグレクト
養育すべき義務のある者が意図的に養育義務を放棄することで、子どもが食事を与えられない、入浴していない、着替えの洗濯をしてもらえない、学校へ行けない、おもちゃなどを与えられない、病気になっても病院へ連れて行ってもらえないなどの状態になることです。特に、食事を与えないことによる餓死、病気を放置することによる病死の危険性があります。
■心理的虐待
養育すべき者が子どもに対して愛情を持たないために、子どもを拒否したり、無視したり、他の兄弟姉妹を偏愛したり、他の子どもと遊ばせないなど、心理的に子どもを追い詰めていきます。子どもの心身的な発達から考えると早期発見が望ましいのですが、目に見えないだけに発見が難しいのが現状です。
■性的虐待
養育者、祖父母、兄弟姉妹などによる性的な虐待で、多くは一度ではなく、複数回、長期にわたって行われることが多いです。他の家族も知りながら、対応できずに放置していることもあるために、発見が難しいです。
■代理ミュンヒハウゼン症候群(Munchauzen syndrome by proxy)
ミュンヒハウゼン症候群は、ほら吹き男爵症候群を言われ、周囲の関心や同情を引くために、病気を装ったり、自らの体を傷付けたりする病気を言います。特に、虚言で入院を繰り返します。入院することで本人が満足します。
一方、代理ミュンヒハウゼン症候群は、養育者、特に両親がウソの症状を訴えて、過度の検査を要求したり、過度の薬や毒薬を飲ませて子どもを病気にすることを言います。子どもが入院によって周囲からの同情や援助、注目されることで心理的に養育者が満足すると言われています。
では、このような子どもを発見したらどうしたらいいのでしょうか?
次のページで国民の義務について説明します。