なぜ、新しい制度がスタートするの?

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これまで機能性が表示できなかった食品にも、表示できる可能性が広がります。

2014年10月現在、トマトのような野菜は特定保健用食品のように、「○○の上昇を抑える」とか「おなかの調子を整える」などといった、身体の健康の維持・増進に役立つ働きがあるという表示をすることはできません。国民の健康や暮らしの安定・向上や、経済活動の活性化のためにも、これらの現行制度の規制を緩和する必要があるという議論が国によってなされています。

そこで新たに、これまで認められなかった食品(いわゆる健康食品をはじめとする保健機能を有する成分を含む加工食品及び農林水産物)についても、一定の条件を満たせば企業の責任で機能性表示ができる制度が検討されています。

ガイドは、7月に行われた大阪会場での消費者庁主催の「食品表示基準案に係る説明会」に参加してきました。ガイドラインの作成は今後ということで、ほとんど具体的なお話はなく、方向性の説明にとどまりましたが、特にポイントとなる内容や、ガイドの所感をまとめたいと思います。

「食品の機能性」って?

食品には、3つの役割があると考えられています。

  1. 生命維持のための栄養面の働き(栄養機能) …1次機能
  2. 食事を楽しもうという味覚・感覚面の働き(感覚機能) …2次機能
  3. 生体の生理機能を調整する働き(体調調節機能)…3次機能

今回話題としている「機能性表示」は、食品の3次機能に関する表示についてです。

3次機能は、1984年から1986年に 実施された「食品機能の系統的解析と展開」という研究の成果として提唱されたもので、「機能性食品」を次のように示しています。
文部省特定研究「食品機能の系統的解析と展開」では、さまざまな食品成分は生体調節機能を持つことが明らかにされるとともに、こうした生体調節機能を有した成分を強化した加工食品を「機能性食品」と呼ぶこととしました。すなわち「機能性食品」とは、食品中から機能性成分を分離・濃縮し、それを通常の食品に配合し、その配合率や配合後の食 品形態を適正に設計・作製し、より効率的にその生体調節機能(疾病予防、整腸機能等) を発現するための食品です。もちろん、その効果は栄養学的・医学的に立証されたものでなければなりません。
 

機能性を表示できる「保健機能食品」

現在の日本で、食品の機能性表示を行うことが認められているのは、「栄養機能食品」と「特定保健用食品」で、これらを合わせて「保健機能食品」と呼びます。
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現行の食品の機能性表示制度

これらについては、詳しくは過去の記事
トクホのこと、本当に理解して使ってる?
サプリメントとのつきあい方
健康食品の虚偽・誇大表示に注意
でもご紹介していますので、ご参照ください。

少し簡単にまとめますと、栄養機能食品は、食品についてではなく栄養成分の機能を表示するもので、現在12 種類のビタミンと5種類のミネラルに限定して、機能性表示を行うことができます。

また特定保健用食品は、その食品を日常の食生活の中で摂取することで保健の効果が期待できる食品です。個別に健康に対する効果、安全性や許可条件に基づいて厳しい審査があり、特定保健用食品として認可されたものが、機能性表示することができます。

これら以外の食品で機能性を表示することは、食品衛生法や健康増進法により禁止されています。新たな機能性食品の表示についても、特定保健用食品や栄養機能食品とを兼ねた「W表示」をすることはできません。