単語を考えるよりも、実際にコカ・コーラのTwitterを見てみよう。注目は「ツイートと返信」タブだ。
ツイートのおよそ6割ほどがユーザーのコーラについてのRTでの返信となっている。これはユーザーがコカ・コーラについて写真付きでツイートしているものを中心に、コカ・コーラとしてコメントをつけてRTしているものだ。
写真はユーザーがツイートした写真
これくらいなら、少しこまめな運用者ならやっているかもしれない。
もう一つはユーザーのツイートに対して、独自の画像を作成してツイートすることだ。例えば「誕生日でコーラ飲む」などのツイートに対して、その人のTwitterアカウントが入った「Happy Birthday」のクリエイティブを用意してツイートするといった具合だ。
一人のために特別なコンテンツを作成してツイート
コカ・コーラでは毎日Twitterの動向についてレポートを作成し、ブランドに関連するツイートを拾っているという。そうしたレポートを受けて、即座にコンテンツ制作チームが画像などを作成しているそうだ。
起こるか起こらないかわからないことに備える
コカ・コーラのリアルタイムコンテンツクリエーションという活動では、さらにイベントなど、ユーザー全体の熱量が上がるタイミングでの発信を行っている。先だってのワールドカップでは、サッカーの試合の様子をリアルタイムに、ミニスタジアムでコカ・コーラのネーム入りボトルを使って再現した。まさに起こっている瞬間を数分後に再現してツイートするという企画に、多くの人がリツイートして話題となった。
先日、Ad Tech Tokyo2014にてコカ・コーラのTwitter戦略担当者が述べたところによると、手間のかかるリアルタイムコンテンツクリエーションを行うのはリツイートを最大化するためだという。
コカ・コーラいえどもTwitterのフォロワーは36万6千人。Twitterのフォロワーを増やす施策はせいぜい数千人単位の規模感でしか増えないという。しかし、リツイートを獲得すれば、それだけ多くの人にツイートが目に触れる。同社では、フォロワーのリツイートによってツイートを見る人をセカンドフォロワーと定義し、購買意欲やブランド好感度を調査したところ、ノンフォロワーよりも高い購入意欲、好感度を確認できたという。
この調査データからリツイートの最大化による、ファンづくりを目指しているのだという。
まとめ:地道な運用と派手なイベントの掛け合わせ
コカ・コーラでは、前半で紹介したようなリアルタイム性を意識したユーザーとのコミュニケーションに加え、イベント等でリアルタイムコンテンツクリエーションを取り入れることでユーザーとのエンゲージメントを最大化している。企業の中でも業界によってこれは特に盛り上がるなというイベントがきっとあるはずだ。こうしたイベント等でリアルタイムコンテンツクリエーションをすることで、ユーザーの期待を超えられるコンテンツを作れる可能性がある。