世間に横行する「ダイエットの敵」
「テロ頻発」でググって来られた方、申し訳ありません。そういった物騒な話題はこの先、一切出てきませんので悪しからず。初めて聞く人には意味不明の「夜食テロ」ですが、ここ数年の間にネット上で使われるようになったテレビ用語です。ネット画像とかにも使われますが、こっちは別に夜食に限った訳ではなく、やはり深夜番組を指す言葉かと。夜8時以降は極力食べないようにしている方々にとっては、就寝前の11時すぎにぼんやりとテレビを見ていて、突然、目にも鮮やかなご馳走が大画面いっぱいに登場すれば、ダイエットに向けた理性など吹き飛び、冷蔵庫の中をガサゴソとチェックを始める羽目に陥ってしまう。こういった食欲をいやがおうにもそそるパワーこそが、「テロ」と呼ばれる由縁であります。
とはいえ、番組のクオリティとして見れば、逆に視聴者への訴求力が強いという意味に。だからこそ、今以上に「夜食テロ」番組が作られるべきだと思うのですが。現在、決して多くないこの手の番組には、妙な偏りが見られます。
なぜかドラマ中心の流れに
ここ最近で、夜食テロの代表格といえるのが、9月まで絶賛放送中だった「孤独のグルメ」(テレ東系)シリーズでしょう。今回でシーズン4を数え、深夜では異例なほどの高視聴率をマークしています。その人気を踏まえてか、この時間枠ではこれまでいくつかのB級グルメや自炊をテーマにしたドラマが放映されてきました。また、この秋からは約3年ぶりに復活する「深夜食堂」(TBS系)も、視聴者のすきっ腹に一撃を与えてきた歴戦の勇者です。マスター役の小林薫がカッコいいのはもちろんですが、この番組の場合、フードスタイリスト・飯島奈美さんの存在も大きいかと。各回のエピソードに絡む、卵焼きやポテトサラダ、白菜漬けといった、どうってことのないような料理が、メチャクチャ美味しそうに見えるんです。
ここまででお分かりのとおり、「夜食テロ」のドラマはどれも評判が高いのに比べて、なぜか料理の美味しそうなバラエティーというのは、最近めっきりと減ってしまいました。もっと料理にスポットを当てた深夜バラエティーがあってもいいと思うのですが。