「うちの子、ゲームばっかりして、全然勉強しないのよ」

こんな愚痴をよく耳にするほど、ゲームは子育てする上で邪魔者扱いされがちですが、そんなゲームにも実はメリットがあったのです。

ここでは、ゲームとの上手なつきあい方と、そのために必要な子どもとの約束事について考えたいと思います。

ゲームの問題点は“時間”だった!

オックスフォード大学の研究チームが行ったイギリスの10歳~15歳の子どもを対象とした調査では、ゲームをする時間が1日1時間以内の子どもは、ゲームをしない子よりも生活への満足度が高く、社交的だということがわかりました。

しかし、この調査では、1時間以上ゲームをする子どもは、落ち着きがなくなったり、注意が散漫になったりするということもわかりました。

また、文部科学省が行っている調査でも、ゲームをする時間が1日1時間未満の子どもが最も学力が高く、ゲームをする時間が長くなるにつれて学力が下がる傾向があることがわかっています。
ゲームをする時間が長いほど、学力テストの正答率が下がる傾向に。しかし、1日1時間未満と全くしないとでは正答率はほとんど変わらない(2014年、文部科学省、全国学力・学習状況調査より)。

ゲームをする時間が長いほど、学力テストの正答率が下がる傾向に。しかし、1日1時間未満と全くしないとでは正答率はほとんど変わらない(2014年、文部科学省、全国学力・学習状況調査より)。

どうやら、ゲームをすること自体が悪いのではなく、ゲームをする時間の長さに問題があったようです。

老若男女、1日は24時間という限られた時間しかないのは同じです。その多くをゲームに費やせば、勉強する時間が減るのは言うまでもありません。勉強すべき時間を削ってゲームをしているのですから、学力が下がるのも当然なのです。

実は、同じようなことが睡眠についても言えます。睡眠時間が少ない子どもは、学力が低い傾向にあるのに対して、8時間を超える睡眠時間の子どもも学力が低い傾向にあります。勉強すべき時間を無駄な睡眠時間にあてているのですから当然ですね。

つまり、ゲームの存在自体が悪いわけではないのです。24時間という限られた時間を、いかに有効に使うかが求められているのです。

では、ゲームと上手につき合うにはどうしたらよいのでしょうか。

ゲームと上手につき合う自制心が必要

学力の高い子どもに共通した特長の一つに、自己制御する力が高いことが挙げられます。自己制御する力とは、簡単に言えば、「したいこと」と「すべきこと」を上手に分けてこなしていく力です。

受験生にとって受験勉強は積極的に楽しめることではないかもしれません。そして、ゲームのような受験勉強の妨げになるような誘惑はたくさんあります。だれでも「やりたいこと」はずっとやっていたいし、「やりたくないこと」は後回しにするか、できることならやらないでいたいもの。自己制御する力のある子は、こうした誘惑に負けず、目の前にゲームと勉強があったら、2つとも上手に向き合えるだけの判断力や自制心があるのです。

しかし、この自制心も、生まれつき備わっているわけではありません。1日何時間もゲームをしたり夜遅くまでゲームをしたりする、いわばゲーム中毒にならないためには、小さい頃からルールを作って、それを守らせることが必要です。

言い換えると、「ゲームはダメ」と頭ごなしに否定するのではなく、ゲームと上手につき合う力、すなわち、自分を制御する力(自制心)を子どもに身につけさせることが大切なのです。

同じことは、もちろんスマホについても言えます。今やIT全盛の時代。いつかは子どももスマホを持つ日が来るのですから、スマホ中毒にならず上手に向き合えるような習慣をつけさせてやるのも親の使命と言えるでしょう。