ゲームでやったことを現実で再現したくなるのか?

現実の世界と空想の世界を混乱させてしまうことはあるのか?

現実の世界と空想の世界を混乱させてしまうことはあるのか?

2013年9月に、アメリカ ワシントンにある海軍施設で銃乱射事件が発生し、職員ら少なくとも12人が死亡する事件が起こりました。この事件の主犯であったアーロン・アレクシスは、友人らの間では「物静か」「怒ったことがない」という評判の人物でしたが、その一方で、長時間自室にこもり、暴力的なビデオゲームに興じていたという一面もあったと言われています。

激しい暴力を含む格闘ゲームに興じることが、日常の暴力性に直結するかどうかについては、専門家の間でも様々な見解があるのが現状。「格闘ゲームは子どもの暴力性を高める」と主張する派もいれば、「それは解釈が飛躍しすぎている」という派も存在もいるのです。

「一体、どっち?」
親としては、気になりますよね。最近行われた実験が、分かりやすい切り口で、ゲームとの付き合い方を示唆してくれています。


格闘ゲームを用いた実験

ルクセンブルクの大学が行った実験には、60名の学生が参加しました(うち男子学生が20名)。実験の内容は、実験室で、プレイステーション3の格闘ゲーム「モータルコンバット VS. DCユニバース」を15分間行うというものでした。このゲームには正義のヒーローから悪役まで様々な人物が登場するのですが、ここでは2つのキャラクターに絞り、実験を行いました。

まず、学生達は、スーパーマン役とジョーカー役(バットマンに出てくる悪役)に振り分けられました。さらに、ゲームを始める前に、半数の学生には、それぞれのキャラクターの背景となる生い立ちを聞かせました。目的は、その役への共感を促すため。俳優さんが自分の役を演じきるために、その役の背景を頭にたたきこむのと似ています。その内容はというと、スーパーマンは恵まれた家庭に育ったという生い立ち、対するジョーカーは子ども時代、虐待に苦しんでいたという生い立ちでした。

>>次ページで、その結果を見ていきます。

*出典: 学術誌 Cyberpsychology, behavior and social networking (2013) 「Superman vs. BAD Man? The Effects of Empathy and Game Character in Violent Video Games. 」より