実は日本人にも身近なスモークという調理法
スモーク=燻製(あるいは薫製)は、食材を煙で燻すことで長期保存を可能にする調理法。冷蔵など肉や魚を保存する技術がなかった古代から人類の歴史とともに現代まで淘汰されることなく伝承されてきた保存術です。煙に含まれた殺菌成分は食材にしみ込むと徐々に内部の水分を奪い、それによって保存性が高まるとともに、独特の風味と味わいが加わるのです。日本の鰹節やいぶりがっこ、アメリカやカナダのお土産でおなじみのビーフジャーキーやスモークサーモンなど、我々に親しみのある食べ物も実は燻製だったりします。
スモークの基本的なつくり方
さて、この燻製。一般的な作り方は肉や魚を食塩水等に浸して下味をつけ、塩抜き、乾燥などを経て、「スモーカー」とよばれる専用の容器にセット。そこにサクラやリンゴなどの樹木からつくった「スモークチップ」とよばれる木屑を燃やして煙を発生させ、それに長時間あてて燻していきます。燻す場合も煙の温度によって「熱燻」「温燻製」「冷燻」と区別され仕上がりも違ってきます。スモークサーモンのような生食に近い食感のものは25℃~30℃の煙で燻したもの(つまり非常に寒冷地か寒いシーズンしかつくることができない)、ベーコンやソーセージなどは60℃前後の煙で燻す温燻。そしてここでご紹介するのはいちばん短時間でできてキャンプ料理にも最適な80℃以上の煙で燻す熱燻です。