エクステリア/庭・エクステリアの基礎知識・デザイン

オープン外構とクローズド外構のメリット・デメリット

敷地条件や周辺環境などによって、外構プランはさまざまですが、ひとつの考え方として、オープン外構とクローズド外構に分けることもできるでしょう。また、それぞれのメリットを取り入れたセミクローズド外構と呼ばれるプランも。ここでは、それぞれの特徴、メリットやデメリットについてまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

外構プランは大きくふたつ。周辺環境、敷地の条件などに合わせて

周囲に調和した美しい佇まいとするためには、建物本体はもちろん、外構(エクステリア)までをトータルに検討し、プランニングすることが大切です。外構のプランニングはさまざまですが、ひとつの考え方として、オープン外構とクローズド外構に分けることができるでしょう。また、それぞれのメリットを取り入れたセミクローズド外構と呼ばれるプランもみられます。

機能門柱を玄関まわりのアクセントとしたオープンなつくり。プライバシーを守る外観デザインが特徴。undefined[エクステリアプランundefinedポスティモ宅配ボックス1型]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

機能門柱を玄関まわりのアクセントとしたオープンなつくり。プライバシーを守る外観デザインが特徴。 [ポスティモ宅配ボックス1型]
YKK AP
 

外構プランは、周辺環境や敷地条件、建物本体のつくりなどを含め検討することが基本。オープンやクローズドといった名称にこだわる必要はありませんが、希望があれば早めに設計担当者に相談を。建物本体を含めての提案を受けることができるでしょう。

オープン外構  開放的なエクステリアプラン。狭小地でも広がりを

オープン外構とは、一般的に敷地の境界線に門扉やフェンスなどを設けない、開放的なエクステリアプランのことを指します。欧米などの郊外住宅などでも よくみられるプランですが、芝生や草花、低い樹木などを植えることで境界を示すなど、道行く人々に植栽を楽しんでもらえるような工夫をする場合も。また、 前面道路や歩道などと、異なる素材や仕上げ(タイルやコンクリートなど)を用いて視覚的に区別するケースもあります。

外観デザインで奥行きを生み出し、門柱とカーポートをポイントに。undefined[LIXILカーポートSCundefined施工例undefined30-50型undefined柱・梁:ブラックundefined屋根材:ナチュラルシルバーF]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

外観デザインで奥行きを生み出し、門柱とカーポートをポイントに。 [LIXILカーポートSC 30-50型]  LIXIL

■メリット
オープン外構のメリットは、なにより開放的で、狭い敷地でも広々と感じること。また、光や風が通り抜けやすいということも挙げられます。プランニング次第ですが、門扉やフェンスといったエクステリア建材を多く用いないので、費用を抑えることができる場合もあるでしょう。

敷地への出入りが簡易なため、建物本体の防犯性能を高めておくなどの配慮は必要ですが、プランニングによっては、近隣から敷地内が見渡せ死角がないことで、防犯性が高まるケースも。周辺環境や敷地全体を考慮してプランニングすることが大切です。

■デメリット

デメリットは、比較的簡単に侵入されやすく、道行く人や近隣から覗かれてしまう場合もあること。そのため、建物内が見通せないような部屋の配置、窓の形状や種類、洗濯物干場の位置なども含めて、プライバシーを確保するための対策が必要でしょう。また、幼いお子さんがいらっしゃる場合、道路への急な飛び出しの恐れがあることも。交通量が多い道路に面している敷地の場合には配慮を。ペットを飼っている場合なども注意しておきたいものです。

クローズド外構  プライバシーを確保。閉鎖的にならない配慮を

高さのある塀を巡らせ、防犯性を高めたエクステリアデザイン。undefined[エクスティアラ 門扉H5型(プレーンデザイン)undefined独立納まりundefinedB7]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

高さのある塀を巡らせ、防犯性を高めたエクステリアデザイン。 [エクスティアラ 門扉H5型(プレーンデザイン)]  YKK AP

クローズド外構とは、通常、道路や近隣などからの視線を遮断することができるような、比較的背が高く敷地内が見えにくい、門扉やフェンス、塀などを設ける外構計画のこと。駐車スペースには、シャッターゲートを設けるなどしたプランもみられます。

■メリット
クローズド外構のメリットは、何といってもプライバシーを確保できること。囲まれているので、視線を意識することなく過ごすことが可能です。洗濯物干しなども気にすることなく、幼い子供やペットも安心して庭で遊ぶことができるでしょう。また、簡単に侵入できないようなプランや取り入れる機器(防犯カメラやセンサーなど)によって、防犯性能を高めることも可能。その他、プランニングや仕様にもよりますが、重厚で風格のある佇まいを実現することもできるでしょう。

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門扉やフェンスでしっかりと境界を示しつつ、開放的なデザインを選ぶことで、軽やかな印象の外まわりに。[プレスタ 門扉:TS型 /フェンス:2型]  LIXIL
 

■デメリット
デメリットとしては、どうしても閉鎖的な雰囲気となってしまったり、敷地が狭い場合などでは、圧迫感を与えてしまうというケースもみられます。また、プランニングによっては、外からの死角が生まれてしまうこともあるため、防犯面で不利になってしまう場合も。侵入者が隠れることができるようなスペースを作らないことも大切なポイントです。

その他、多くのエクステリア建材商品を取り入れることも多く、コストがかかってしまう場合も。選ぶ素材、色やデザインなどで印象は異なりますし、用いる建材によっても費用は大きく変わるので、周辺環境や敷地環境、予算に合わせてプランニングすることが重要でしょう。

セミクローズド外構  ふたつのメリットを取り入れた自由なプラン

プライバシーを守るパーツやアイテムを取りいれ、開放感を実現。[ポスティモα]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

プライバシーを守るパーツやアイテムを取りいれ、開放感を実現。[ポスティモα]  YKK AP

オープン外構とクローズド外構のふたつの要素を組み合わせたスタイルが、セミクローズド外構と呼ばれるもの。それぞれのメリットを組み合わせ、目的や予算に合わせて自由にコーディネートするプランは、最近の主流となっています。

たとえば、塀やフェンスを設けるものの、比較的低めだったり、開放感のあるデザインとするケースなど。最近では、柱や塀、格子など、さまざまなパーツを組み合わせたエクステリア商品も豊富に揃い、組み合わせ方ににもよりますが、セミクローズドな外構プランを実現しやすいアイテムと言えるでしょう。

その他、カーポートは開放的とし、門まわりや隣地との境界は閉鎖的にしたり、浴室やトイレなどの周辺はプライバシーを確保するなど、オープンなエリアとクローズドなエリアを併せ持つプランも考えられます。

カタログやホームページの施工例を参考に

境界を示しつつ、パーツを組み合わせることで奥行きのあるアプローチに。[テグランネオundefined施工例undefinedW20]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

境界を示しつつ、パーツを組み合わせることで奥行きのあるアプローチに。[テグランネオ W20]  LIXIL
 

プランニングの際には、エクステリアメーカーのカタログやホームページなどで施工例を参考にするのもひとつの方法。プランに適した商品アイテムも紹介されているので、ショールームで確認するのもいいでしょう。また、実際に街並みを歩くなどして、好みのプランを見つけても。実際の外構であれば、植栽が成長することなども含めて、経年による変化も参考になるのではないでしょうか。


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