外構プランは大きくふたつ。周辺環境、敷地の条件などに合わせて
周囲に調和した美しい佇まいとするためには、建物本体はもちろん、外構(エクステリア)までをトータルに検討し、プランニングすることが大切です。外構のプランニングはさまざまですが、ひとつの考え方として、オープン外構とクローズド外構に分けることができるでしょう。また、それぞれのメリットを取り入れたセミクローズド外構と呼ばれるプランもみられます。機能門柱を玄関まわりのアクセントとしたオープンなつくり。プライバシーを守る外観デザインが特徴。 [ポスティモ宅配ボックス1型]
YKK AP
オープン外構 開放的なエクステリアプラン。狭小地でも広がりを
オープン外構とは、一般的に敷地の境界線に門扉やフェンスなどを設けない、開放的なエクステリアプランのことを指します。欧米などの郊外住宅などでも よくみられるプランですが、芝生や草花、低い樹木などを植えることで境界を示すなど、道行く人々に植栽を楽しんでもらえるような工夫をする場合も。また、 前面道路や歩道などと、異なる素材や仕上げ(タイルやコンクリートなど)を用いて視覚的に区別するケースもあります。外観デザインで奥行きを生み出し、門柱とカーポートをポイントに。 [LIXILカーポートSC 30-50型] LIXIL
オープン外構のメリットは、なにより開放的で、狭い敷地でも広々と感じること。また、光や風が通り抜けやすいということも挙げられます。プランニング次第ですが、門扉やフェンスといったエクステリア建材を多く用いないので、費用を抑えることができる場合もあるでしょう。
敷地への出入りが簡易なため、建物本体の防犯性能を高めておくなどの配慮は必要ですが、プランニングによっては、近隣から敷地内が見渡せ死角がないことで、防犯性が高まるケースも。周辺環境や敷地全体を考慮してプランニングすることが大切です。
■デメリット
デメリットは、比較的簡単に侵入されやすく、道行く人や近隣から覗かれてしまう場合もあること。そのため、建物内が見通せないような部屋の配置、窓の形状や種類、洗濯物干場の位置なども含めて、プライバシーを確保するための対策が必要でしょう。また、幼いお子さんがいらっしゃる場合、道路への急な飛び出しの恐れがあることも。交通量が多い道路に面している敷地の場合には配慮を。ペットを飼っている場合なども注意しておきたいものです。
クローズド外構 プライバシーを確保。閉鎖的にならない配慮を
高さのある塀を巡らせ、防犯性を高めたエクステリアデザイン。 [エクスティアラ 門扉H5型(プレーンデザイン)] YKK AP
■メリット
クローズド外構のメリットは、何といってもプライバシーを確保できること。囲まれているので、視線を意識することなく過ごすことが可能です。洗濯物干しなども気にすることなく、幼い子供やペットも安心して庭で遊ぶことができるでしょう。また、簡単に侵入できないようなプランや取り入れる機器(防犯カメラやセンサーなど)によって、防犯性能を高めることも可能。その他、プランニングや仕様にもよりますが、重厚で風格のある佇まいを実現することもできるでしょう。
門扉やフェンスでしっかりと境界を示しつつ、開放的なデザインを選ぶことで、軽やかな印象の外まわりに。[プレスタ 門扉:TS型 /フェンス:2型] LIXIL
デメリットとしては、どうしても閉鎖的な雰囲気となってしまったり、敷地が狭い場合などでは、圧迫感を与えてしまうというケースもみられます。また、プランニングによっては、外からの死角が生まれてしまうこともあるため、防犯面で不利になってしまう場合も。侵入者が隠れることができるようなスペースを作らないことも大切なポイントです。
その他、多くのエクステリア建材商品を取り入れることも多く、コストがかかってしまう場合も。選ぶ素材、色やデザインなどで印象は異なりますし、用いる建材によっても費用は大きく変わるので、周辺環境や敷地環境、予算に合わせてプランニングすることが重要でしょう。
セミクローズド外構 ふたつのメリットを取り入れた自由なプラン
プライバシーを守るパーツやアイテムを取りいれ、開放感を実現。[ポスティモα] YKK AP
たとえば、塀やフェンスを設けるものの、比較的低めだったり、開放感のあるデザインとするケースなど。最近では、柱や塀、格子など、さまざまなパーツを組み合わせたエクステリア商品も豊富に揃い、組み合わせ方ににもよりますが、セミクローズドな外構プランを実現しやすいアイテムと言えるでしょう。
その他、カーポートは開放的とし、門まわりや隣地との境界は閉鎖的にしたり、浴室やトイレなどの周辺はプライバシーを確保するなど、オープンなエリアとクローズドなエリアを併せ持つプランも考えられます。
カタログやホームページの施工例を参考に
境界を示しつつ、パーツを組み合わせることで奥行きのあるアプローチに。[テグランネオ W20] LIXIL
【関連記事】
- 駐車スペース・カーポート・ガレージのプランと考え方
- カーポートの種類と特徴/屋根材、スタイル、性能etc.
- カーポートの選び方 失敗しない8つのポイント
- カーゲートの種類と特徴、選び方の6つのポイント
- 駐車スペース・カーポートにあると便利な設備&建材
- 自転車置き場のプランニングのポイント
- 玄関アプローチの考え方とプランニングのポイント
- エクステリア(外構)プランの考え方、7つのポイント
- エクステリア空間に必要な建材商品の種類と特徴
- 機能門柱の種類と特徴&選び方のポイント
- フェンスの種類と特徴、選び方のポイント
- 表札の種類と特徴&設置プランの考え方
- 住宅用のポストの種類と特徴&選び方のポイント
- 玄関まわり&エクステリア建材のショールーム活用法
- 築6年 建築家と建てた小さな家の小さな変化と住み心地