エクステリア/庭・エクステリアの基礎知識・デザイン

庭や窓に設置する目隠しの種類&選び方のポイント

外からの視線を遮るために、庭や窓に目隠しを設けたい、というケースも多く聞かれます。ここでは、目隠しの種類と選び方のポイントをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

周囲からの視線を遮りプライバシーを守るためには

新築やリフォームの際には、動線やゾーニング、使い勝手はもちろん、プライバシーの確保を考慮して間取りプランを検討するものですが、敷地条件や周辺環境によっては、外からの視線などが気になるケースもあるでしょう。住み始めてから隣地に住宅が建築されたり、前面道路の交通量が多くなるなど、予想外の変化も起こるものです。

外からの視線を遮るためにはさまざまな方法があります。比較的手軽なのは、特殊な織りによって光を反射させることで視線を遮るカーテン(ミラーレースなど)を取り入れたり、窓ガラスに専用のフィルムを貼る方法など。ある程度の施工が伴うプランとしては、庭のフェンスや塀を工夫したり、窓の外側に目隠しルーバーを設置することなどが考えられるでしょう。エクステリア建材や窓メーカーの商品には、さまざまなアイテムが揃っているので、条件や予算に適したタイプを取り入れることが可能です。

シャープな格子のデザインが周囲の視線を程よくカットする。さまざまな組み合わせが可能。[スリットラインフェンスundefinedスリットラインundefinedブラック]undefined LIXILundefined http://www.lixil.co.jp/

シャープな格子のデザインが周囲の視線を程よくカットする。さまざまな組み合わせが可能。[スリットラインフェンス スリットライン ブラック]  LIXIL

庭・エクステリアに設ける目隠しアイテム

■敷地全体の目隠し
庭やエクステリア全体を目隠しする方法としては、樹木や垣根を用いたり、ブロックや塀を取り入れたり、プライバシーを確保できるデザインのフェンスなどを取り入れることが考えられます。建材メーカーのフェンスには、素材やカラ―など、多種多様な商品が揃っており、条件にあわせて選ぶことができるでしょう。通常のフェンスよりも高さのあるタイプ、柱やルーバー、スクリーンなどを組み合わせることができるもの、騒音を軽減する防音タイプのフェンスなどもあります。選ぶ際に注意したいのは防犯面。不審者が身を隠しやすいケースもあるので、セキュリティを強化する、センサー付きの照明を設けるなど、敷地全体で検討することが大切です。

■玄関先の目隠し

敷地の境界線に門扉やフェンスなどを設けない、開放的なエクステリアプランも多くみられます。狭い敷地でも広々とした明るい雰囲気のアプローチが実現しますが、敷地条件によっては、前面道路や隣家から玄関先が見えてしまい、プライバシーが確保できなかったり、落ち着かない、というケースもあるでしょう。
フレームとポスト、壁面材が一体になったシリーズ。オープン外構などで玄関の外から室内のプライバシーを守ることが可能。[リレーリア 〔パッケージ〕 エントランス用 壁面材 スクリーン1N型 横格子 H2]undefined YKK APundefined http://www.ykkap.co.jp/

フレームとポスト、壁面材が一体になったシリーズ。オープン外構などで玄関の外から室内のプライバシーを守ることが可能。[リレーリア 〔パッケージ〕 エントランス用 壁面材 スクリーン1N型 横格子 H2]  YKK AP

道路から玄関扉がすぐに見えにくいように、少しずらしたり、向きを変える、という方法も考えられますが、ある程度の目隠しが必要なことも。植栽であったり、スクリーンなどを設けてもいいでしょう。メーカーからは、玄関まわりに適した門柱や門袖壁、アーチやスクリーン部材など、プランや用途に合わせて組み合わせることが可能な商品も揃っています。

■リビングや居室の目隠し
南に道路がある場合、隣家が近い場合など、リビングでも視線が気になるケースもみられます。敷地境界近くに、植栽などで工夫するか、光や風を通すデザインの高めのフェンスを取り入れるなどが考えられるでしょう。すっきりとした格子やスリット状の建材、光を取り込みつつ、視線を遮るように工夫されたスクリーン面材を取り入れてもいいでしょう。マット調のクリア樹脂を用いることで、外からの視線を遮りながら、光を柔らかく通す商品も提案されています。

リビングの目隠しプランで注意したいのは、ソファに座るなど、くつろぎの姿勢も考慮すること。どこからの視線が気になるのか、どのような目隠しが必要なのか、生活スタイルに合わせて検討することが大切です。

■デッキ空間の目隠し
新築やリフォームでは、ウッドデッキやテラスを取り入れるプランも多くみられます。ガーデニングを楽しむ場として、もうひとつのリビングとしてなど、心地のよい、くつろぎの空間を実現することができるでしょう。

光と風を取り込めるようにスクリーンを設置して。すっきりと爽やかなバックヤード空間。[ウッドデッキundefined樹ら楽ステージ]undefined LIXILundefined http://www.lixil.co.jp/

光と風を取り込めるようにスクリーンを設置して。すっきりと爽やかなバックヤード空間。[ウッドデッキ 樹ら楽ステージ]  LIXIL

しかし、プランによっては、道行く人や隣家など周囲からの視線が気になる場合もあるものです。垣根などの樹木を植えたり、フェンスや格子、パーテーションなどを設け、プライバシーを確保しても。メーカーからは、ウッドデッキに適するフェンスやスクリーンなど、さまざまな建材アイテムが揃っているので、敷地条件に合わせて組み合わせることが可能です。

また、隣家の2階や周囲のマンションなど、上からの視線が気になる場合は、屋根をつけたり、パーゴラやオーニングなどを設置してもいいでしょう。プランニングの際には、横からの視線、上からの視線の両方を考慮すること。ただし、プライバシーの確保を優先させすぎて、屋外空間の開放感をなくしてしまわないようにすることも大切でしょう。

デッキを洗濯物干し場などに用いる場合でも、プライバシーは確保しておきたいものです。ただし、日差しの確保や風通しを妨げないように注意を。ルーバーやスリットタイプなどが向いているでしょう。

■バルコニー空間の目隠し
2階にバルコニーを設けるプランも多いでしょう。敷地の条件やバルコニー手すりのデザインによっては、室内空間が見えてしまう場合も。くつろぎの場としてゆったりと過ごしたいなど、バルコニーの使い方などにあわせて、手すりのデザインを選ぶこと。同時に、外観デザイン、通風や採光も配慮しておきたいポイントです。メーカー商品には、スリットやパネル素材なども揃っているので周辺環境に適したタイプを選ぶことが大切でしょう。

窓に設ける目隠しアイテム


ガラスの風合いの明るく爽やかなポリカーボネート素材。光の透過率に優れ、スリット部からの通気が可能。 [スマートカバー工法/マドリモ プライバシースクリーン]undefined YKK APundefined http://www.ykkap.co.jp/

ガラスの風合いの明るく爽やかなポリカーボネート素材。光の透過率に優れ、スリット部からの通気が可能。 [スマートカバー工法/マドリモ プライバシースクリーン]  YKK AP
 

■バスルームや洗面・トイレの窓の目隠し
窓に目隠しを設けたいという声が多く聞かれるのが、バスルームや洗面、トイレなどの水まわり。最もプライベートな空間であり、夜にバスルームを使う場合、シルエットが映り込むことも。安心して使用できる環境づくりが必要でしょう。

窓メーカー商品には、窓サッシの外側に設け、視線を遮りつつ風を取り込むことができるルーバータイプの建材が多くみられます。羽部分が固定式のタイプだけでなく、可動式のタイプもあります。光を取り入れ、明るさを確保できるような樹脂製などであれば、北側の水まわりにも適しているでしょう。また、リフォームで簡単に設置することができる商品も揃っています。

■リビングや寝室、子供室を目隠し
心地よさを確保したいリビングや寝室、子供室の場合であれば、光や風を取り込むことができる、窓の外に設置するブラインドなども向いているでしょう。メーカーの商品には、ルーバーの角度や開閉によって、プライバシーだけでなく光や風などもコントロールすることができるタイプもみられます。また、日差しを遮ることを目的とした、オーニングやスクリーンなどを設けても。植物を這わせるグリーンカーテンを設置しやすいバーなどの建材商品も提案されています。

窓の外側に取付ける電動のブラインド。日射遮蔽や取得、通風や採光、外部からの視線をコントロールすることができる。[リモコン外付ブラインド「X-BLIND」(エクスブラインド)] YKK APundefined http://www.ykkap.co.jp/

窓の外側に取付ける電動のブラインド。日射遮蔽や取得、通風や採光、外部からの視線をコントロールすることができる。[リモコン外付ブラインド「X-BLIND」(エクスブラインド)]  YKK AP
 

プライバシーを確保する、目隠しを目的とした建材は多くみられますが、上手に取り入れないと、閉鎖的になってしまうケースもあるようです。選ぶ際には、取り入れる目的、優先順位を明確にした上で、機能性だけでなく、エクステリアや外観デザインとしての美しさにも配慮することも大切でしょう。また、実際の商品、具体的な機能や特徴をできる限りショールームで実際に確認すること。素材感や色味だけでなく、どの程度視線を遮ることができるのか、光を取り込むことができるのかなども、チェックすることも重要なポイントです。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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