現代は工業の時代
世の中には、農業的なモノと工業的なモノがあります。現代の私たちは、ほとんど「工業の法則」で生活しています。効率良く、短時間で、多くの成果を出そうとします。都会の法則ともいえます。
それは、それで悪いことではないのですが、時々衝突や対立を引き起こします。工業化された思考はきわどいタイミングを計りますから、神経をすり減らします。
売るべきときに買ってしまう。買うべきときに売ってしまう。
撤退すべきときに突入して、突入すべきときに撤退してしまう。
結果として、工業の法則は歪みや迷いを人に与えるのです。
投資する人には、ストレスをもたらします。
昔は農業の時代に生きていた
昔の私たちは、農業の法則で生きていました。春に種をまき、夏は雑草を取り、水を治めます。そうすれば、秋には実りがもたらされます。農場の法則は、人が当たり前の役割を果たし、時間と自然に恵まれれば、必ず成果が得られるという必然のルールです。
これを投資にたとえれば、毎月コツコツと投資を続ける”つみたて投資”と短期で売らない長期投資に相当します。
基本は買い続けるのみ。空売りなど考えもしないし、奇跡的な大豊作なども期待しない。近道など探さないし、レバレッジも必要としない。そうして、歴史的に平均のリターンに満足できる(年間6~8%)。投資する人に、穏やかさと安心を授けてくれます。
銘柄を選ぶ前にスタイルを選ぶ
さて、あなたはどちらのタイプですか?そんなことを考える間もなく、銘柄選びに突入する人がほとんどです。もしからしたら、どちらのスタイルでもない思考停止におちいっているのかもしれません。しっかりと自分のスタイルを確立して、足場を固めて投資を始めてください。
農業の法則は以下の通りです。
「農場で場当たり的な詰め込み主義で作業することの愚かさを考えたことがあるだろうか?春に種蒔きを忘れ、夏は遊び惚けて、秋になってから収穫を得るために必死になって頑張る。
農場は自然のシステムである。必要な務めを果たし、作業を行わなければならない。蒔いたものしか刈り取ることはできない。そこに近道はない。
人の成長や人間関係においても、最終的にはこの原則が必ず作用することになる。つまり、人の成長も人間関係も自然のシステムであり、農場の法則が支配しているのである」
※「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著、ジェームス・スキナー、川西茂訳、キング・ベアー出版)より引用。