ドラマ/医療ドラマ

スケール感を駆り立てる 壮大な医療ドラマ(2ページ目)

最近の医療ドラマは果てしなく壮大です。医療そのものを専門的かつ多角的に掘り下げ、そこにエンターテイメントの要素を織り込み、大胆なスケールで描きます。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

3: 国際性豊かなフィールド
『医龍』の朝田龍太郎(坂口憲二) 『DOCTORS 最強の名医』の相良浩介(沢村一樹) 『救命病棟24時』の進藤一成(江口洋介) 『ドクターX ~外科医・大門未知子~』の大門未知子(米倉涼子)たちは、海外で最先端の医療や医療機器のない過酷な現場など様々に経験しています。架空の発展途上国まで登場し、視聴者はボーダーレスの医療現場を意識することになります。

『JIN -仁-』の南方仁(大沢たかお)については、時空まで超えているのですから、とんでもないスケールです。

4: 巨大組織VS.孤高の天才医師 という構図
主人公は組織の渦中にいることは少なく、常に少し離れた位置から組織のあり方に疑問を投げかけます。自分のスタンスを貫くために 自由な立場を選んだ主人公の生き方は視聴者とって憧れであり、組織に立ち向かう勇気ある行動に視聴者は奮起させられます。

組織と闘う武器はただ一つ、圧倒的な医療技術を有するということです。そのために主人公は天才である必要があるのです。組織が巨大であるほど、権力を物ともしない主人公の活躍が際立ち、視聴者はスカッとします。医療ドラマにおいて「天才」は必要不可欠な存在なのです。


5: バイプレイヤーによるショータイム

腹黒さ渦巻く人間関係、権力争い、極端な私利私欲……医療現場の描写は専門性を深めている一方で、“ドラマ”の面は比較的わかりやすいのも特徴的です。嫌なヤツとして描かれるヒールもシュールすぎる個性が人間臭さを生み、ショーアップされた彼らの存在は、医療ドラマを盛り上げます。

『DOCTORS 最強の名医』では、高嶋政伸演じる堂上総合病院の外科医、森山卓の奇行の数々が衝撃的でした。佐野史郎が演じた『ずっとあなたが好きだった』の桂田冬彦 以来のエキセントリックな顔芸キャラクターと話題になり、お茶の間の人気者となりました。

『ドクターX~外科医・大門未知子~』第2シーズンでは帝都医科大学付属病院の外科統括部長の蛭間重勝(西田敏行)が登場します。主人公が難しい手術を成功させるたび、高額な請求書とメロンを、大門未知子が所属する神原名医紹介所の所長である神原 晶(岸部一徳)が持参します。その時の腹の探り合い、棘のある言葉の応酬は滑稽で視聴者を楽しませました。

腸が煮えくり返る状況で見せる蛭間部長の表情は絶品です。
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