やっぱりそうだった
山本圭はその後もフジテレビドラマに多数出演していますが、特に印象的だったのが『ひとつ屋根の下』と『白線流し』。共に主人公たちを見守る医者役ですが、言動になんとなく反体制感があります。そして『白線流し』では後のスペシャルドラマの時に信州大学で学生運動してたことが明らかになり、やっぱりか!と思わせました。ちなみに『ひとつ屋根の下』と『白線流し』の両方で医者役ということで、『白い巨塔』の里見助教授など「良心的な医師役をさせると日本一」の兄・山本學のイメージも混じっているかもしれません。
『若者たち』の系譜
『若者たち』の前身となったドラマに、1962年の『われら青春』があります。これは中村雅俊主演の日本テレビ青春シリーズ『われら青春!』とは関係がないフジテレビ作品。若者5人の共同生活を描き、演出担当の森川時久がこれを温めて『若者たち』につなげたプロトタイプ的な作品です。また『若者たち』のメイン脚本家、山内久が1982年にNHKで『街 若者たちは今』という作品をつくっています。川崎の工業地帯で働く若者(桜田淳子、古尾谷雅人、時任三郎、ジョニー大倉、石田えり)を描き「街 『若者たち』は今」といえるドラマです。
放送されたのが『あ・うん』や『夢千代日記』など人間を深く掘り下げたヒューマンドラマの名作を生み出した「ドラマ人間模様」枠。この枠のカラーにピッタリあって『若者たち』を正しく継承していました。
『若者たち2014』も時代や放送枠があえばもっと受け入れられたような気がします。ちょっと残念でした。