ドラマ/夏ドラマ情報

若者たち:山本圭といえば学生運動、田中邦衛といえば

1966年の『若者たち』をリメイクした『若者たち2014』。時代にあわないのかイマイチもりあがっていません。しかしオリジナルの『若者たち』は現在まで意外なところで影響を与えています。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

トレンディドラマ以前のフジテレビドラマで重要な作品として思い浮かぶのは60年代『若者たち』、70年代『白い巨塔』、80年代『北の国から』の三つ。

このうち『白い巨塔』は2003年に唐沢寿明主演でリメイク。『北の国から』はスペシャルとして2002年まで続きました。しかし1966年の『若者たち』は、同じく貧乏な兄弟ものの『ひとつ屋根の下』が影響を受けているといわれていますが、直接的なリメイクはなし。

昭和でよくても平成では

それが、ここにきて『若者たち2014』が登場です。オリジナル版で取り上げられた貧困、格差、差別といったテーマは、現代でも通用する話だけに期待されました。しかし評価が別れるのは『若者たち』のもう一つの特徴である、兄弟たちがケンカ・口論で熱くぶつかり合う構成。これは昭和ならアリでも、現代のコミニュケーションに気を使う若者ではありえません。このため好きな人は好きだが、一般ウケはしないという状況になっています。

『ひとつ屋根の下』はそこをあんちゃん(江口洋介)をオーバーに暑苦しく描くことでクリアしてたんですね。よく考えられています。


貧乏と反体制と

『若者たち』の直接的なリメイクは今回が初めてですが、兄弟のキャラクターと演じた俳優のイメージは、フジテレビのその後の作品に影響を残しています。一人は長男・佐藤太郎役の田中邦衛。もう一人は三男・佐藤三郎役の山本圭です。

太郎は『2014』の長男・旭(妻夫木聡)と同じく生計の中心になって真面目に泥臭く働くキャラ。これは『北の国から』の黒板五郎につながっていきます。

三郎は学生運動に燃える高学歴・反体制キャラ。『2014』の三男・陽(柄本佑)は芝居に力を入れていますが、演じる舞台はつかこうへいの『飛龍伝』と、間接的に学生運動に関わってます。

『若者たち』で演じた役柄もあって、山本圭といえば「学生運動をやっていた」キャラを演じさせると日本一だと思います。そういう役をかなり見ました。他の代表作として、現在でも見やすいところで映画『新幹線大爆破』をあげておきます。爆破犯グループの一人で元学生運動家でした。

次は「やっぱりそうだった

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます