住宅リフォーム/リフォーム事例~Yuuのリフォーム現場から

その収納では片付かない~リフォームの現場から

新しく収納を増やしたのにまた片付かない!今回のYuuのリフォームの現場からは、人気の収納リフォームに潜む罠、片付けをはばむ3つのハードルをご紹介します。

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

収納を増やしたいというリフォームの依頼は多いもの。でもせっかく新しい収納を作ってもまた片付かず、結局以前と同じまま……なんてことも。今回のYuuのリフォームの現場からは、その収納では片付かない!片付けをはばむ3つのハードルをご紹介します。

片付けとは元の位置に戻すこと、それができない理由は?

片付いてないと掃除が大変、探し物も大変。全ての家事がメンドウになるループに。

片付いてないと掃除が大変、探し物も大変。全ての家事がメンドウになるループに。

片付けとは、元の位置に戻すこと。つい出しっぱなしになるのは元の位置に戻すのがメンドウだからです。片付かない理由は意外と単純なところにあります。

いくら大きな収納を作っても、出し入れがメンドウでは片付かないのは当たり前です。出すのがメンドウなら入れっ放しに、入れるのがメンドウなら今度は出しっぱなしになります。

 

片付けをはばむ3つの大きなハードル

片付かない収納には、片付けをはばむ3つのハードルがあった。

片付かない収納には、片付けをはばむ3つのハードルがあった。

数多くの収納リフォームを行ってきましたが、多くの方が一番気にするのは収納の容量です。とにかく大きく、たくさん入るようにと、収納のためだけに大きな部屋を増築したり、部屋をつぶして収納にしたりする方もいます。

しかしせっかくリフォームしても、半年もすればまた元通り……と言うような場面に出会うこともあります。理由はカンタン。片付けがしにくい収納を作ってしまったからです。ではガイドYuuが見てきた片付かない収納とはどんな収納か?
そこには片付けをはばむ3つのハードルがありました。

 

1つめのハードル、見えない収納はメンドクサイ

椅子に上らないと出せない収納に入っているものは出しっぱなしになる。

椅子に上らないと出せない収納に入っているものは出しっぱなしになる。

片付けをはばむ1つめのハードルは、中がよく見えない収納です。例えばキッチンの吊戸棚、奥行きが深い押入れや引き出し、大容量の納戸など。

中にある物がすぐ見えないと、探すのがメンドウです。また見えないということは、手が届きにくいことでもあります。

椅子に上らないと出せない、手前の物を動かさないと出せないというようでは、できるだけそこに入っている物は使いたくないですし、いったん出したら入れるのがメンドウなので出しっぱなしになります。

カゴなどを上手に使って整理整頓できるマメな人はいいのですが、私のようにズボラの自覚がある人は、出し入れのしやすさを追及する部分にこそ費用を掛けましょう。例えば吊戸棚なら昇降式にしたり、奥行きが深ければ回転ラックを付けたり、奥行きを薄くして裏側の壁からも使えるようにしたり。そうすることで部屋が片付けやすくなります。

 

2つめのハードル、遠い収納はメンドクサイ

納戸から出すのがメンドウで、トイレットペーパーを廊下の隅に積むようになった家もある。

納戸から出すのがメンドウで、トイレットペーパーを廊下の隅に積むようになった家もある。

片付けをはばむ2つめのハードルは、距離が遠い収納です。収納の使いやすさを図る目安に「アクション数」を数えるものがあります。

アクション数とは出し入れの動きの数のことで、例えば扉を開けるだけなら1アクション。扉を開けてその中に引き出しがある場合は「扉を開けて→引き出しを引く」で2アクションになります。このアクション数が少ないほど、出し入れがしやすくなります。

遠い収納はこのアクション数が一気に増大します。例えば納戸のような集中型収納にトイレットペーパーのストックをしまっておくと……

【納戸にトイレットペーパーを取りに行くアクション数】
  1. トイレのドアを開けて出る
  2. トイレから納戸までの廊下を歩く
  3. 納戸のドアを開けて入る
  4. トイレットペーパーを探して取る
  5. 納戸のドアを閉めて出る
  6. 納戸~トイレまでの廊下を歩く
  7. トイレのドアを開けて戻る

書いているだけでメンドウになってきました。実際に、納戸を作ったけれど、だんだんメンドウになり、トイレットペーパーのストックをトイレ近くの廊下の隅に積むようになった家がありました。使う場所から収納場所までが遠いと、結局は近い場所に出しっぱなしになるのです。

 

遠かったり道筋から外れたりすると出しっぱなしに

寝室~リビングの間の廊下の壁に本棚を作ったら、本が片付くようになった例も。

寝室~リビングの間の廊下の壁に本棚を作ったら、本が片付くようになった例も。

よく言われる「そこで使うモノは、その部屋にしまう」というのは、出し入れのアクション数を減らすことに他なりません。そこの部屋には無理という場合は、そこに行くまでの道筋の途中に収納すれば大丈夫です。

例えば雑巾なら、濡らして洗って干すという動作が付いてきますので、洗う場所と干す場所の間の道筋の途中に収納しておく。そうすれば通りすがりに出し入れできます。その道筋から外れると、出しっぱなしになりやすくなります。

寝室とリビングで読書をする人が、寝室~リビングの間の廊下の壁に本棚を作ったところ、移動しながら選んだり片付けできたりするので、本の出しっぱなしが無くなった例があります。ドコに収納するのか?で、片付くかどうかが変わるのです。

 

次のページは、片付けをはばむ最後のハードル。人気の収納術に罠が?ズボラな人こそ念入りに計画を立てましょう。
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