テクノポップ/海外のテクノポップ

世界のエレクトロ男女ペア~ウクライナ

「世界のエレクトロ男女ペア」対談24回目! 旧ソ連を軸としたCIS(独立国家共同体)に突入します。先ずは、現在もロシアとの緊張が続くウクライナ。音楽的にはインディー的ウクライナと芸能界的ウクライナが面白く混在しています。お勧めは、Kievelectro、Dust Heaven、Stereolizza、パラ・ノルマルヌィフなど。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

CIS

ガイド:
東欧、バルト三国も制覇し、遂に旧ソ連圏に突入します。と言いましても、バルト三国は旧ソ連に入っていましたし、ルーマニアの後に登場したモルドバも旧ソ連でした。バルト三国を除く、12の旧ソ連諸国は緩い連合体を形成し、以下の独立国家共同体 (CIS)と呼ばれています。ただし、今年のプーチン率いる強権ロシアによるクリミア併合の結果、ウクライナはCIS脱退を宣言しました。

ロシア
ベラルーシ
モルドバ *既にルーマニアと共に紹介
カザフスタン
ウズベキスタン
キルギス
タジキスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
トルクメニスタン(客員参加国)
ウクライナ(客員参加国、2014年に脱退宣言)
グルジア(2009年に脱退)

ウクライナ

ガイド:
先ずは、僕の好きなウクライナに行きましょう。ウクライナには2度訪れて、友だちも出来たので、愛着のある国です。現在、ロシアとの緊張が続くウクライナですが、早くウクライナの人々が政治的にも経済的にも安心して暮らせる状況になることを切に願います。ウクライナは4,500万人を超える旧ソ連ではロシアに続く人口の国です。音楽の世界では、ウクライナ人の天性と言いましょうか、特に女性シンガーの活躍が目立ちます。先日、「ウクライナの歌姫軍団“バイアグラ”戦争の行方は?」という記事を書きましたが、(ВИА Гра)はウクライナを代表するお茶の間のセクシーアイドル。あ、ウクライナの三人娘の話をする止まらないのでまた後々のネタに置いておきます。

ウクライナの歌姫軍団“バイアグラ”戦争の行方は? (All About)

Kievelectro (Киевэлектро)

ガイド:
comeoneverybody

Камон Эврибади(Come On Everybody)

キエフからやってきたキューバがルーツのПальма(パルマ)とドイツがルーツのСуперМакс(スーパーマックス)によるエレクトロデュオ。エレクトロと言ってもかなり下世話なスラブポップです。でも、自ら「エクストリーム」と自覚し、確信犯的にやっているようなので、憎めない。いや、結構好きかも。彼らを最初に見たのは、元バイアグラのАлена Винницкая(アリェーナ・ヴィンニチュカヤ)をフィーチャリングした「Гуляй, славяне! (Walk, Slavs!)」。アリェーナが入って増量されているんで、正確には男女ペアではないですが、これが今んところ一番注目された曲みたいなんで、紹介しておきます。

Гуляй, славяне! (YouTube)

 

松見:
これはかなり王道を地で行くようなスラブポップですね。下世話だけど、エレクトロミュージックとしては割とちゃんとしてる辺りがウクライナらしい。そしてビデオクリップにやたら上裸の男性を登場させたがるのもひとつの特徴のような気がします。

ガイド:
そして、見つけたのがこの曲「Я Украiнец(私はウクライナ人)」。ロシア語ではなくウクライナ語。ウクライナのアンセムのような曲。調べた所、このクリップで歌っているおじさんは、ミハイラ・パプラヴスキィ(Михайло Поплавський)というウクライナ歌謡の大御所、ウクライナの北島三郎みたいな歌手。ウクライナ人に訊いてみるとあまり評判がいい人ではないようですが、キエフのカルチャー&アート大学長らしいです。映像から繰り出されるエレクトロなアレンジのスラブ歌謡。例えれば、エレクトロ化された演歌「与作」みたいなもんでしょうかね。

Я Украiнец
(YouTube)

松見:
音も映像も伝統的なフォークスタイルとエレクトロサウンドが上手くマッシュアップされてて素晴らしい!現代の国家…と言うにはかなり大袈裟すぎますが、ウクライナのお国柄を伝える国民的アンセムのようにも聴こえます。

 

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