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指導要領の改訂で、いよいよ中学受験にも英語導入へ

小学校への英語導入から、はや10年。次の学習指導要領の改訂で、いよいよ小学校英語も正式に教科になります。これによって、中学受験にも入試科目として英語が本格的に導入されることになりそうです。気になる、新しい指導要領の変更点と、中学受験への影響と対策についてまとめました。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

文部科学省は、中学校の英語の授業、原則英語で行うことなどを盛り込んだ「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表しました。2020年の完全実施を目指し、2018年から段階的に実施するとのことです。これにより、いよいよ中学受験にも本格的に入試科目に英語が導入されることになりそうです。

すでに英語を入試科目に取り入れている中学も

2015年1月現在、すでに入試に英語を取り入れているところはいくつかあります。しかし、その多くは帰国子女枠などの特別枠が大半です。

ただ学習指導要領の改訂を見込んで、東京女子学院中学(東京)や工学院大学付属中学(東京)などがすでに英語を入試科目として取り入れています。また、東京市立大学付属中学(東京)はグローバル入試として英語、算数、作文(日本語)を課す入試を新設しました。

2016年以降も、このように英語を入試に導入する中学は出てくると予想されます。

中学校英語がそのまま1年前倒しに

2020年の学習指導要領の改訂で、いよいよ中学受験で英語が入試科目に!?

2020年の学習指導要領の改訂で、いよいよ中学受験でも英語が入試科目に

それでは、指導要領の改訂の内容を簡単に確認していきましょう。現在、

・小学校高学年・・活動型、週1~2コマ

の英語活動が、新課程では、

・小学校中学年・・活動型、週1~2コマ
・小学校高学年・・教科型、週3コマ程度
・中学校・・教科型、原則英語で授業


へと変わります。

活動型というのは、英語を聞いたり話したりといった活動を中心とした授業で、教科型というのは、活動型に加え英語を読んだり書いたりする授業のことです。現在、小学校で行われているのは、英語を聞いたり話したりといった活動を中心とした授業です。

新しい指導要領では、今まで小学校5・6年生で学んでいた活動中心の英語を小学校3・4年生で、中学校1年生で学んでいた「I’m ~.」「Do you like ~?」のような文法中心の英語を小学校5・6年生で学ぶことになります。また、中学校では、現在、高校1年生で学んでいる内容までも学ぶことになります。つまり、中高校の英語の授業が、そのまま1学年分、前倒しされる感じです。

これにともない、中学校卒業程度を目標としている英語力が、現在の英検3級から準2級程度に引き上げられます。

小学校英語=教科に

もう1点大きな変更点は、小学校5・6年生の英語が、「教科」になることです。教科になる以上、教科書があり、テストがあり、成績もつけられます。となると、中学受験にも、いよいよ入試科目として「英語」が本格的に導入されることになります。

とはいえ、新しい指導要領は、2020年(平成32年)に完全実施を目指しており、2018年から段階的に実施されます。ですから、中学受験に英語が本格的に導入されるとしても、早くても2020年度に中学1年生になる小学生から対象になると考えられます。まだまだ先の話と言えば先の話なので、ひとまずご安心を。

中学校の「英語の授業は英語で」が原則

さて、中学受験とは直接関係ないのですが、新しい指導要領では、中学校の英語の授業は原則「英語で」行われることになります。これは、現在でも教科書に載っている「Stand up.」「Open your textbook.」といった、授業で最低限必要となる指示や動作を英語で行うことを徹底することと言い換えてもいいでしょう。つまりは、英語の授業中は「日本語禁止」ということです。

実は、2013年から、高校では「英語の授業は原則英語で」が実施されています。授業中の指示や動作が英語で行われるほか、英和辞典ではなく英英辞典(英単語の意味を英語で調べる)を使ったり、プリントやテストの設問が英文になっていたりと、とにかく英語漬けの授業が行われています。

もちろん、重要な文法事項の説明などは日本語で補足されるで、「英語で授業」と言っても、それほど心配する必要はないと思います。習ったフレーズや覚えた英単語を使うことが英語を上達させるための第一歩ですから、今回の変更は、良い変更だと言えるでしょう。子どもたちが授業中に「“英語で”私語をする」なんてことが実際に起こる日もそう遠くはありません。

次は、小学生も英語の塾通いを考える時代に
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