あこがれと問題点を確認する

吹抜けは基本的に階の違う空間を結びつけるもので下から上、上から下に対して空間をつなげてくれます。平面では表現できなかった立体的な魅力を表現することができます。

狭い空間が開放的に感じられるため、家をつくるなら吹抜けをつくりたいというあこがれは根強いものがあります。

ただし吹抜けには意外な盲点もありますので、吹抜けをつくるならどのような目的でつくるのか、その際の不具合はどんなことがあるのかをしっかりと確認することが大切です。

吹抜けをつくる目的は?

吹抜けをつくる目的は、大きく分けて次の3つ考えることができます。

1.採光を取りたい…住宅密集地で採光が期待できない場合、屋根に天窓又は高窓を設けて1階まで光を届けるため

2.上下階のコミュニケーションを図りたい…上階が子ども室のフリースペースになっているので何となくの気配を感じたい、コミュニケーションをとりたいため

3.ダイナミックな開放感を得たい…1階が狭いので高い天井にして開放感をつくり出したい。

吹抜けの問題点は?

温かい空気は上に上がり冷たい空気は下に下がる性質がありますので、冬は足元が寒くなりやすくなります。

さらに臭いがこもったり、下階の音が上階の部屋に届いたりもします。例えば子どもが受験期の頃には、下階のテレビの音や話し声が気になり集中できないなんてこともあるでしょう。

臭いは給気と排気の位置を確認し、音は吸音ボードを使うなど、これらの対策はしっかりと考えておかなければいけません。

高さはどうして決めていますか?

吹抜けの天井は、高ければ気持ちよい空間になるかといえば必ずしもそうではありません。天井が高すぎると空間の量(かたまり)が上部に引っ張られ、かえって水平方向の広がりがなくなり、左右の壁が迫ってくる感覚になって落ち着きません。

このような場合は、上部に高窓などを設けて目線が外に抜けるような工夫をすると広がりを感じられます。

具体的な高さは2.4m(標準的な天井高さ)に、15cm刻みで足していった数字を目安にするとよいでしょう。2階までの天井高さの場合は5.4mあたりをひとつの目印にします。

ちなみに日本の住宅の寸法は、標準寸法が1間=1.8m、居室の最低天井高さ=2.1m、標準的な天井高さ=2.4m、と、30cm(15cm×2)を足していった数字になっています。
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5.4mを目安に15cmずつ足したり引いたりしていく


次のページでは、吹抜けの実例をご紹介します。