塾業界第二の波、web動画授業サービス

家計の負担を最小限に抑えつつ、活用次第では子どもの成績を上げることが可能なサービスであると言えるでしょう。

家計の負担を最小限に抑えつつ、活用次第では子どもの成績を上げることが可能なサービスであると言えるでしょう。

最近、塾業界に急速に広がっているサービスがあります。それは録画した授業をインターネットを介して配信するweb動画授業。塾業界に個別指導が流行し、すっかり定着したのが十数年前のことです。その後、塾業界に大きな変化はありませんでした。それがいま、第二の波としてweb動画授業が新たなサービスとして定着しつつあります。いま注目のweb動画授業、そして従来のリアル学習塾のちがいをお伝えします。

利便性と料金設定では従来型の学習塾と家庭教師を圧倒

web動画授業は個別指導以上に時間の融通がきくのが利点です。自宅にいながら授業を受けることができ、学習塾に通ったり、家庭教師をつけたりするよりもずっと安価なのがこのサービスが急拡大している最大の理由です。肝心な講師の質は玉石混交ですが、講師を気に入らなければ他の講師の授業にすぐ簡単に変更ができます。家計の負担を最小限に抑えつつ、活用次第では子どもの成績を上げることが可能なサービスであると言えるでしょう。

web動画授業の利便性がリスクになる

ただ、web動画授業がベストの選択かと言うとそうではありません。近隣に学習塾がなかったり、あっても指導力がなければweb動画授業はまさに最適なサービスと言えます。でも、近隣にそれなりに定評がある学習塾があり、通わせるだけの経済力があるのならweb動画授業サービスを手放しでお勧めするわけにはいきません。web動画授業は通信教育と同じように、その利便性こそが逆にリスクになるのです。

web動画授業で学習習慣をつけるのは難しい

勉強でもっとも大事なのことは何でしょうか。それは「学習習慣をつける」ことです。親に言われなくても子どもが主体的に勉強する習慣がつけば、これほど素晴らしいことはありません。逆に言えば、その学習習慣をつけることこそがもっとも難しいことでもあります。

たとえば通信教育のサービスを受けている子どもが挫折する理由は共通しています。提出課題が滞り、手つかずの教材が溜まってしまうというからです。これと同じことがweb動画授業にも言えます。塾であれば決まった曜日、時間に授業を受けに行かねばなりません。時間通りに塾に行かないと塾から電話がかかってきます。塾のために行動が制限されるものの、それが学習習慣になっていくという側面も見逃せません。

web動画授業は好きな時間に自宅で受けることができる便利さゆえ、「べつに今でなくてもいいや」という気持ちになりやすく、先延ばしにしてしまいがちです。拘束力がないので、高い自制心を持って計画通りに学習する必要があります。

web動画授業にはないリアルな対面授業ならではの利点

web動画授業がテレビで観る音楽番組であれば、学習塾の授業はライブコンサート。対面授業には録画にはない臨場感があります。塾の授業であれば頻繁に講師が発問し、指名されて答えを言わされます。この「いつ指名されて答えを言わなければいけなくなるかわからない」という緊張感が、集中力を高めます。そして正解を答えることができれば講師から褒められたり、感心されたりします。それが子どもの持つ、認められたいという欲求を満たし、やる気につながります。また、たとえ講師の指名を受けたのが自分でなくても、クラスの生徒の答えに刺激を受け、それがモチベーションの維持につながるものです。

リアルな対面授業ならではの利点は他にもあります。ある程度指導力のある講師であれば、生徒の表情や様子を見てトークを変化させます。気持ちを引き締めるために危機感をあおったり、受験直前期には安心感を与えたり、眠そうな生徒がいれば関心をひくために重要事項を大げさに強調したりします。その時々の教室の雰囲気に合わせて臨機応変に演出していくことで生徒を飽きさせず、学習への意欲をかき立てていくのです。

また、学習塾では指導している講師が直接進路指導をしてくれます。進学先の学校をうまく探せなければ、その子の特性や将来の目標に見合った学校を紹介もしてくれます。授業中にわからないことがあれば、授業後に質問して教えてもらうこともできます。授業の最後に宿題を提示され、次回の授業までにやってこないと講師に叱られてしまう、そんな点もweb動画授業にはない緊張感です。

さて、いかがでしたでしょうか。どのようなサービスで子どもを学習させるか。それはとても重要な選択です。web動画授業を選択する場合は、リスクも踏まえたうえで検討してください。
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