父と息子の絆を描くファンタジー
『ビッグ・フィッシュ』(2003年度作品)自分の人生をおとぎ話のような世界で語ってしまう父エドワード(アルバート・フィニー)と、そんな絵空事じゃなくてリアルな話をしてくれという息子ウィル(ビリー・クラダップ)は水と油のような父と息子。でもやがて息子は知るのです。父が話すおとぎ話はあながち嘘ではないということを。そのおとぎ話は息子や家族のための父の愛だったのです。
エドワードのおとぎ話が実写になる場面はティム・バートン監督らしい童話のような不思議ワールドが展開されますが、そのファンタジーの中には真実が隠されているのです。冗談ばっかりいって、本音をはぐらかしている人がいたら、その冗談の向こう側の真意を探ってみなければなあと思いましたね。
おとぎ話ばかりを語る父と堅物の息子の心の雪解けシーンはやさしくて、思わず涙腺ゆるむ……。愛に溢れた映画です。
監督:ティム・バートン 出演: ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、アリソン・ローマンほか
『スターウォーズ 帝国の逆襲』(1980年)
『スターウォーズ』は2014年の時点でエピソード6まで公開されています。『スターウォーズ 帝国の逆襲』はエピソード5。この作品でダース・ベイダーとルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)が親子であることがわかるのです。ダースベイダーがルークにその告白をするシーンは『SW』史上の名場面であり、パロディも生まれているくらいです。
ダース・ベイダーの帝国軍とレイア姫(キャリー・フィッシャー)を中心にルークやハン・ソロ(ハリソン・フォード)が闘う反乱軍の壮大な宇宙大戦争は、父と息子の闘いの物語でもあるのです。なぜルークの父はダース・ベイダーになったのかなどの二人を取り巻く謎はエピソード1~3を見れば一挙解決。ルークとベイダーの父と息子の葛藤は壮絶で『スターウォーズ』の核となっていると言っても過言ではないでしょう。エピソード1から6まで一気に見れば、この親子のことより深く知る事ができますよ!
監督: ジョージ・ルーカス 出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーほか
>次のページでは、アカデミー賞とカンヌ映画祭を沸かせた作品をピックアップ!
アメリカとフランスの巨匠が描くシリアスな物語