アウトドア/アウトドアでフェスを楽しむ

子どもでもバッチリ楽しめた「フジロック」リポート(2ページ目)

子どもと一緒に楽しめるアウトドア音楽フェスが人気です。自然豊かな会場で、子どもを遊ばせながら、好きな音楽を楽しむ。音楽とアウトドアを愛する家族にとって、最高の休日の過ごし方がそこにあります。子どもがまだ小さいから……と諦めないで、子どもを連れて音楽フェスに行ってみませんか?

渡部 郁子

執筆者:渡部 郁子

アウトドアガイド


ドラゴンドラで空の遊覧

ドラゴンドラ

世界最長「ドラゴンドラ」

入り口ゲートから一番奥のステージまで歩くと30分以上かかることもあるほどの広い会場なので、3日間ですべてを満喫することはほぼ不可能ですが、子ども連れに特におすすめしたいのが「サイレントブリーズ」というエリア。全長5.5kmの世界最長ゴンドラ「ドラゴンドラ」(有料)に乗って、アップダウンを繰り返しながら美しい森の奥深くへといざなう、20分の空中散歩。標高1346mの山頂駅を降りると、涼しい風が迎えてくれます。参加者の10人にひとりしか行っていないという、比較的混雑の少ないエリアなので、のんびりと山の空気を味わうことができる場所。山頂のレストハウスのお手洗いにはベビーベッドがあるので、オムツ替えにも重宝します。

小学生以下チケットは無料

小学生以下の子どもは保護者の同伴に限り、入場無料です。宿泊や交通費、準備にお金がかかる子ども連れにはとてもうれしい配慮です。ちなみに、会場内のキッズランドやプライオリティテントなどの利用に関して料金はかかりません。子ども連れ参加の場合、ライブを見る回数、時間は必然的に少なくなりますが、だからこそ子どもと一緒に遊べる場を充実させて、子ども連れ参加を応援するという主催者側の配慮を感じます。

夏の思い出作りに

川遊びスポット

ところ天国付近の川遊びスポット

会場内での行動は、基本的に「自己責任」。木に登ろうが、川に入ろうが、泥んこになって遊ぼうが、マナーを守れば何をして遊んでもいいのです。そんなフジロックの会場で、川遊びに最適なエリアといえば、ホワイトステージの手前に広がる「ところ天国」。ここに流れる川は浅瀬で遊びやすい上、子どもたちの姿にまぎれて、「ゴンちゃん」という石のキャラクターたちが特にたくさんいるエリアでもあります。「ゴンちゃん」はロンドンのアーティスト、ゴードン・マクハーグさんの作品で、会場内のいたるところに存在しています。なんとこの「ゴンちゃん」たち、最終日には記念に持ち帰ることができるのだそう。その理由は、苗場の景観を守るため。石ですから相当重いですが、川で一緒に遊んだゴンちゃんを連れて帰ることができる、こういうところが、フジロックの魅力のひとつでもあると感じます。
ゴンちゃん

石のアート作品「ゴンちゃん」


子どもは何歳からフェスに行っても大丈夫?

アウトドアガイドをしていると「子どもは何歳からキャンプに行けますか?」といった質問をよく受けるのですが、アウトドアに慣れ親しんでいる人なら、子どもが0歳の頃からキャンプに連れ立っていますし、それと同様、フェスに慣れている人なら0歳から子連れで楽しんでいますので、要は子どもが快適に過ごせるよう親が責任を持って努力すること。大人の都合で朝から晩まで連れまわしたり、帰りたがって泣く子を放っておくなどといったことがないことを願うばかりです。

私も実際、子どもを連れてフジロックに参加していますが、息子が最初に参加した3ヶ月のときも、それ以降も、会場ではニコニコして不快な表情や泣くことはあまりありませんでした。2歳で参加した今年は、ステージが始まるたびに体を揺らし、リズムに合わせて踊っている姿が印象的でした。
最終日までニコニコ

最終日までニッコニコでした


親子でフェスに参加するなら、事前に情報を収集しあらゆる事態を想定して状況による綿密なシミュレーションを行うなど、子どもの安全と体調管理についてしっかり考えておきましょう。そして、しっかりと準備をしたなら自身を持って、子どもと一緒に大いにフェスを楽しみましょう。親が楽しそうにしていると、子どもも一緒に楽しんでくれますよ。
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