マンション価格上昇 購入VS賃貸 どっちが得?
金利が低く、資産価値が維持されると購入が有利
新築マンション、中古マンションともに大きく上昇した首都圏マンションマーケット。売れ行きは、全般的に堅調さを維持しているものの好調物件、苦戦物件の2極化も見られます。消費税増税による生活費の上昇や光熱費のアップの影響も多少出ているかもしれません。価格トレンドが上昇すると何気に気になるのが、購入した方が得なのか、または賃貸に住み続けたほうが得なのかという点。近年は、都心エリアの大規模賃貸マンションの供給も増えグレード面での差は、ほとんど無くなって来ているでしょう。まずは、金銭的な側面を考えてみたいと思います。
都心の湾岸エリアのマンションを購入し10年保有した場合を想定します。
■マンションA 専有面積66.6平米 2LDK(中層階の標準的な住戸)
坪賃料12,500円 賃貸の場合月額賃料250,000円 年間賃料300万円
賃貸の初期費用300,000円(仲介手数料・初期費用)
坪単価300万円 購入の場合の価格6,000万円 諸費用200万円
管理費+修繕積立金の合計額 月額2万5千円 年30万円 固定資産税等10万円
頭金1,000万円 5千万円を30年返済の全期間固定金利2%で借入れ(単独)
売却時の諸費用 約200万円(仲介手数料 諸費用)
表面利回り5%
10年間の価格下落率10% 賃料下落率は無し(更新料も無し)と仮定
- 賃貸の場合
初期費用約30万円
合計=約3030万円
- 購入の場合
10年間のローン控除額=-約394万円(概算:ローン控除を満額活用できる場合)
10年間の維持費総額=約400万円
購入時の諸費用=約200万円
資産の目減り額=600万円
売却時諸費用=約200万円
合計=約1876万円
こうして、シミュレーションしてみると上記のケースでは、賃貸よりも購入の方が約1150万円ほど有利になります。比較的金利水準が低く資産価値が維持されやすい状況であれば、同じマンションに住むなら賃貸よりも購入の方が有利です。しかし、資産価値が大きく下がるケースでは賃貸の方が有利になる場合もあります。上記のケースでも30%資産価値が下落した場合賃貸の方が有利になります。(※上記は、試算です。諸条件によって各費用等は変わります。あくまでも参考程度にお考えください)
金利負担は、返済が進むにつれて小さくなります。長期保有する方が当然賃貸よりも有利になります。自己資金が多く、借入が少ない場合などは賃貸よりも購入がより有利になります。こうやってシミュレーションをしてみると期間の短い保有では資産価値が維持されないと極端に賃貸と購入との違いは生まれません。資産価値を重視する方が目立つのも頷ける気がします。
今後価格上昇によってさらに利回りが低下し、かつ需要不足で賃料が低下するようなことがあれば金銭的な側面での賃貸と購入の差は無くなるかもしれません。
次のページでは、金銭面以外の面を考えてみたいと思います。