ヒノキの盆栽の作り方手順
ヒノキの盆栽の作り方
用意するのは、こちらの直径7センチの鉢と木の高さが15センチの石化ヒノキ(せっかひのき・葉が固くなるヒノキの変種)の苗木です。
苗のビフォー
苗木はこのような姿。まだ、人の手があまり入っていないので、葉先が好き放題に伸びています。
木の頂点を決める
早速、大木に見えるよう、枝先を剪定していきます。はじめに、木の頂点を決めましょう。盆栽の輪郭は、簡単に言えば不等辺三角形に整えていきます。今回のヒノキは、不等辺三角形というよりはできる限り二等辺三角形を目指して剪定していきます。また、木の頂点を樹冠や頭とも呼びます。今回は、この頂点から二等辺を作るように飛び出た枝先を少しずつ切ります。
葉を巻き込んで切らないように注意しましょう。
まずは木の頂点から剪定します。針葉樹を剪定するときは、葉を切らないように注意して、写真のように葉が生えている元の枝にハサミの刃をあてましょう。細かい作業ですから、写真のような盆栽専用の剪定バサミを使いたいところです。
葉を巻き込んで切ってしまうと切り口が茶色になってしまいます
こちらの写真は駄目な剪定の仕方の例です。バリカンで刈るように、枝先を一度にハサミでバリバリと切ってしまうと、木は痛みます。葉先が無数に切れてしまい、その部分の葉は茶色に変色しますから、かなり見た目も悪くなりますので注意しましょう。
木の左斜面がシャープに
写真は、二等辺を目指して木の左側の斜面を整えたところ。右側に比べて、だいぶすっきりとシャープになっています。残りの右側の斜面も同様に整えます。
右側も枝先を剪定していきます
枝先を一本一本つまんで丁寧に剪定しましょう。くれぐれも葉を巻き込んで切らないように。
二等辺三角形に
苗木が全体的に円すい形に収まるように切れたところで、植え込みに移ります。
根元をじっくりほぐしましょう
苗木は写真のように木の株元をじっくりほぐしましょう。ぜなら、根が生え出る部分が土の中に埋まっていることが多いからです。結果的に埋もれていた幹が出てきて、身長が伸びることも多々あります。
根の処理をします
ほぐした長い根は切ります。春は根の全分量の3分の1を残して切り、春以外は3分の2は残すようにしましょう。
幹をまっすぐにして植え付け
根の処理ができたら、鉢に対して幹がまっすぐになるように、また幹が鉢の中心に位置するように据えて赤玉土の小粒で植えましょう。根の隙間にしっかり土の粒が入るように、写真のように箸をさして土をすきこみます。鉢に対して根が大きくてぎゅうぎゅうに見えても
意外と土は入るものですから、丁寧に作業しましょう。
根止めの針金でしっかり株を固定
土が入ったところで、根を固定する針金をしっかりやっとこ(盆栽用のペンチ)でねじって固く留めます。
※鉢の排水口への網の固定や、根止めの方法については「小さな盆栽の作り方 植え込みの基本」の記事を参考にご覧くださいね。
コケは用土が見えないように隙間なく
仕上げに苔を張って、鉢の中の小さな自然を演出します。
できあがり!
出来上がりました。ポイントは、鉢に対して幹をまっすぐに植え、出来る限り二等辺三角形を目指して剪定したところです。来年以降も、枝先が伸びてきたら円すいに収まるように枝先を剪定し形を整えましょう。
自分が1センチくらいの人になったつもりで
いかがでしょうか。小さな盆栽を下から見上げたところです。野原の一本木のように見えてきませんか?
ヒノキですから、クリスマスの頃に小さな飾りをつけて、ミニクリスマスツリーを盆栽で楽しむのも良いですよね!
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