東洋医学から考える足のむくみ
東洋医学では、むくみは体内に津液(しんえき)があふれている状態だと考えます。津液とは血液以外の体液を意味し、皮膚・毛髪や粘膜をうるおしたり、関節の動きをスムーズにするなどの他に、汗・唾液・涙・鼻水なども津液がもとになっているとされています。津液は食物から精製されます。脾のエネルギーが阻害されると、精製された津液が全身に配分されず、下半身や腹部に停滞しむくみが発生します。脾のエネルギーは何かを思い患うことや、湿気の多い環境などによって阻害されます。
また、通常であれば腎(じん)という臓腑の働きにより、余分な津液は体外に尿や汗として排出されるのですが、腎のエネルギーの流れが阻害されると体内に津液があふれてしまうのです。腎が原因のむくみは下半身、特にくるぶしの周囲に発生しやすいと言われています。エネルギーが阻害される原因は恐れや驚きなどの感情が過剰になることや、寒い環境にさらされることが挙げられます。
日常生活を見つめ直し、こうした感情や環境に自分が置かれていないかを確認することも大切です。
■脾のエネルギーを回復させる脾兪(ひゆ)
脾のエネルギーを改善しむくみを解消する脾兪
まずは脾のエネルギーを回復させ津液の流れを改善することが大切です。そのためには脾兪(ひゆ)というツボを優しくマッサージすることや、お灸をすえることなどが効果的だと考えられています。
脾兪はウエストラインと肩甲骨の一番下のラインを結んだ中間点で、背骨から外側に向かい指幅二本分のところにあります。握りこぶしを作り背中に手を回して当てると、おおよそこの脾兪の位置になります。
■津液の排出を促す腎兪(じんゆ)
腎を補い余分な津液を体外に排出する
考えられています。
腎兪はウエストラインの高さにある背骨から外側に向かい指幅二本分のところにあります。
仕事中にこまめに姿勢を変えることやストレッチングを日常生活に取り入れることなどにあわせて、ツボへのアプローチも取り入れてみてはいかがでしょうか。