拠点のシンタグマ広場、元王宮の国会議事堂、衛兵の交替式
グランド・ブルターニュやアセンズ・プラザなど5つ星ホテルが立ち並ぶシンタグマ広場周辺
地下鉄の「シンタグマ」駅から地上に出れば、そこがシンタグマ広場。噴水や大きな木々があり、人々が集うカフェなどがあります。シンタグマとは憲法の意味で、1834年、憲法が発布されたのでそのように呼ばれるようになりました。シンタグマ広場周辺はアテネ観光の拠点となる場所で、高級ホテルから若者用のユースホステル、旅行会社、カフェ、タベルナなども多く点在しています。シンタグマ広場とモナスティラキ広場を結ぶエルムー通りには、様々なブランドの店が軒を連ね、地元の人々や観光客がショッピングを楽しむストリートとなっています。
シンタグマ広場からアマリアス大通りを渡ると、国会議事堂があります。元は初代ギリシャ国王オソン1世のためにつくられた王宮で、ドリス式の柱が美しい建物です。建物の前には無名戦士の墓があり、衛兵に守られています。衛兵は専門の職人がつくる見事な刺繍や400ものプリーツがある民族衣装がモチーフの制服(画像は夏季の制服)に身を包んでいます。1時間ごとの衛兵の交替式には多くの見物客が集まります。特に日曜日の交替式(10:50~11:10)が大規模で、多くの旅行者で溢れます。かなり混みあうので、10時半ごろには到着して見物する場所を確保した方がいいです。
国立庭園からゼウス神殿まで 貴重な建造物が目白押し
重要な国際会議やイベントが開催されるザピオン国際展示場
ザピオンからもう少し足をのばせば、1896年に第1回近代オリンピックが開催されたパナティナイコ・スタジアムです。6万5千人以上を収容する大理石の観客席は圧巻です。元は紀元前331年にパン・アテナ大祭の競技場として建造されました。ローマ時代に、当時の大富豪イロド・アティコスが大理石の観客席を寄贈しましたが、今日には遺されていません。現在の観客席は、近代オリンピックの前年に古代の競技場に近い姿で修復されたものです。2004年のアテネ五輪のマラソンで、野口みずき選手がトップで入場、テープを切った場所として記憶している方も多いでしょう。毎年開催されるアテネ・クラシック・マラソンのゴールにもなっています。
アマリアス大通りの終結点にたたずむのがアドリアヌス門。ローマ時代、2世紀に建設された門で重厚な姿を見せています。その南に位置するのがゼウス神殿。15本のコリント式の柱がとても美しい神殿ですが、元は104本の柱が並んでいたそうです。このように、シンタグマ広場の南側は、国立庭園からゼウス神殿まで貴重な見所、建造物がたくさんあり、どれも迫力ある姿を見せています。
学問の殿堂が立ち並ぶパネピスティミウ通り
ギリシャ学術院(アカデミア)。円柱の上の知恵の女神アテナや太陽神アポロンの像が美しい
ギリシャ学術院は、高い円柱の上の女神アテナや太陽神アポロンの像が、青空を背景に美しい姿を見せているのが印象的です。入口にはプラトンとソクラテスの像があります。国立図書館は、入口の緩やかな曲線を描いたカーブの階段が優美な建物です。館内には70万冊以上の蔵書があります。この周辺には貨幣博物館や国立歴史博物館など、貴重な資料でギリシャの歴史を知ることができる見所もあります。