ミエール ビオとは
先に紹介したセゾンデュポンやボンヴーと同じ、デュポン醸造所の造っているハチミツを使ったハニービールです。もともとデュポン醸造所のスタートは、カナダに移住を希望していた、息子(ルイ・デュポン)を思い留まらせるために、彼の父親がハチミツを使ったビールが有名だった、ビール醸造もしている農家を買い取ったことから始まっているので、ミエール ビオはデュポン醸造所の源流と言えるのかもしれません。ミエール ビオは軽やかでスパイシーな香り、味わいは少しだけハチミツの甘さを感じます。余韻も花を感じさせる複雑な香りが尾を引きます、これぞナチュラル・ハニービール。ベルギーの有機認証団体セルティシス(CERTISYS sprl)の認証を受けています。
ハチミツ酒
ハチミツを原料にしたミードというお酒があります。Mead(英)・Hydrome(仏)ハチミツは元々耐糖性の酵母を含んでいますが、糖度が高いので発酵しない状態になっています。そのため水で薄めるなどして糖度を下げると、酵母が動き出して、発酵が始まるというわけです。
ハチミツ酒は滋養強壮に効く飲み物として、ヨーロッパを中心に太古から飲まれているそうです。発酵システムがシンプルなので、ビール以前から普及していたようで、人類最古の酒といわれています。ハチミツを使ったビールは、ミードを薄めた代用品として普及したという説もあるほどです。
諸説ありますが、新婚時期の一か月間をハネムーン(Honeymoon)、その間に旅行に行くのが現代でいう新婚旅行。Honeymoonは直訳すると蜜月、とても仲のいい関係は蜜月関係。この蜜月の蜜は、ハチミツではなくて、「ミードを飲み交わすような仲」からきているという説もあるようです。ご興味わいたら調べてみてください。
ハチミツの香り
ハニービールの醸造方法は、麦芽を煮沸してホップを投入した後、ハチミツを入れます。ハニービールの大きな特徴に香りがあります。ハチミツの香りと言われてイメージする香りがありますが、あの香りは高い糖分の香りと、集めに周った花(蜜源植物)の香りがブレンドされたものです。ハチミツのグリコースを中心とした糖分(エネルギー)はビール酵母の大好物。発酵の際に、酵母がハチミツの糖分を食べてしまった後には、花のような香りが残ります。現在では少なくなってしまいましたが、ベルギーでは数種のハニービールが存在しています。上記の香り同様に、エネルギーを酵母が瓶内で食べて、発酵が進むにつれて、ビール自体の甘さが控えめになります。各醸造所は試行錯誤をして、味のバランス、甘さの残りかた、香りを調整しています。銘柄によって明確に個性が違うので、比べて試してみる飲み方もありですね。
次はミエールにピッタリな料理を紹介します。