セゾン デュポン

セゾンデュポン

セゾンデュポン

セゾンビールとはベルギー南部のワロン地方で、農業の傍ら冬に仕込んで夏に飲んでいたビールのことを指します。50年ほど前までこの地方では夏場に多くの季節労働者が働いていました。生水が充分に飲めない時代の労働者達にとって、醸造工程で煮沸し、麦芽の栄養素が抽出されているビールは恰好の飲みものでした。そのためこの地方の多くの農家では、冬の農閑期に兼業でビールを造って夏に飲んでいたわけです。

当時はまだ酵母の純粋培養が普及していない時代ですから、現在のビールのようなクオリティーではなく、アルコール度数は3%程度、色は赤褐色、酸味があり、微発泡だったそうです。

冷蔵技術も普及し、温度管理も出来るようになると、 安定して高アルコールのビールが造れるようになりました。農業も機械化が進み、季節労働者も減っていきました。

ホップの苦味が効いていて、夏場に飲みたかったビールを造るために、セゾンビールを造っていた多くの醸造所は、レシピと醸造方法を捨ててしまい、農業との兼業も廃止してビールメーカーになりました。セゾンビールという名前は醸造者が造りたくて、飲みたかった味となって現在に残ったわけです。

モアネットグラスでも美味しく飲めます

モアネットグラスでも美味しく飲めます

現在でもセゾンの名を付けた銘柄は、醸造所のスタンダードなビールに多くみられます。日本酒でいうところの清酒のような扱いだと思って下さい。造り手の思うスタンダードな商品が、地元で愛されるのは世界共通です。

セゾンデュポンはベルギーで一番人気のセゾンビールです。きめ細かい泡立ちで爽やかなホップの苦みが効いています。キリッと冷やして、ゆっくりと最後までグラスに注ぎきってお召し上がり下さい。おすすめはなんといっても大瓶(750ml)。タンブラー型のオリジナルグラスが基本ですが、同社のモアネットグラスでも美味しく楽しめますよ。


派手な料理ではなく、昔から食べている料理が似合う

ビールと料理のマリアージュを考える時に、味や香りもさることながら、ビールの成り立ちや地域制を考えると、別の角度からのマリアージュのイメージが湧いてきます。

セゾンデュポンで考えてみると、地域はベルギー南部のエノー州、農耕地帯の真ん中です。セゾンビールは地元密着型のスタンダードビールなので、合わせる料理も日常的に食べられている、奇をてらわない料理が似合います。ハムやサラミ、パテや塩漬け豚などの豚加工品、豆、穀物、乳製品、ジャガイモ、根菜……。

次ページではセゾンデュポンに合う料理をご紹介します。