ログハウスの大久野郵便局
続いて訪れたのは、大久野郵便局です。日の出町は林業がさかんなこともあり、平成5(1993)年にログハウスのような郵便局舎にしたことで有名で、風景印にも局舎が描かれています。私自身「大久野」はてっきり「おおくの」と読むものと思っていたのですが、正しくは「おおぐの」と読むのだそうで、欧文印も「OGUNO」と表記されています。ちょうど郵便局で局員さんと地名の話をしていたら、局員さんが機械の証紙だけはなぜか「OKUNO」となっている「エラー」を発見しました。局員さんもたまたま私と話していて気が付いたようです。数多く郵便局巡りをしていると、たまにはこんなこともあるのです。
また郵便局では、たまたま地元の写真家による写真ギャラリーがありました。よく見ると、メジロやヤマセミなど実際に切手になった野鳥を撮影した写真展で、撮影場所の多くは多摩地域でした。とてもよくできていて、思わず見入ってしまいました。
旧大久野郵便局にも注目
この局で注目していただきたいのは、ログハウスの局舎だけではなく、駐車場を隔てて隣にある白い洋館です。「星宿」と書いてあるかわいらしい建物こそ、昭和10(1935)年にできた旧大久野郵便局舎なのです。現在は不定期で喫茶店をやっているようですが、私が訪れた日には締まっていました。よく見ると建具なども当時のものがそのまま使われていて、見ていると惚れ惚れとしてしまいます。ぜひまた一度訪れてみたいと思いました。
少し疲れたので、つるつる温泉入口交差点にある羊羹堂製菓さんで、さわかに煎餅(1枚75円)をいただきながら、ちょっと一服しました。近くで獲れたサワガニを粉にして入れた瓦せんべいで、さっぱりした甘さがあり、美味しかったです。
奥多摩の一歩手前にある古里郵便局
大久野郵便局に続いて、ここも難読の郵便局名です。古里(こり)郵便局と読みます。「ふるさと」と読んではいけません。浅川郵便局と同じ平屋の建物で、昭和20年代から30年代にかけての局舎に典型的な様式で、2駅離れた沢井駅前郵便局も同じようなレトロな郵便局となっています。風景印は昭和29(1954)年8月から使われてきたので、ちょうど還暦を迎えたばかりのタイミングでした。多摩川の清流を隔てて奥多摩の連山を望む図案になっていて、のどかな雰囲気です。
ちなみに、この郵便で受け付けた郵便物はいったん御岳郵便局に届けられ、御岳局の裏手にある羽村郵便局管轄の場所で仕分けが行われるそうです。民営化後の動きはなかなか複雑ですね。
さて、次のページでは最終目的地の埼玉県・名栗郵便局についてです。