子どもは遊びを生み出す天才『こぐまちゃんのみずあそび』
子どもは遊びを生み出す天才。小さな赤ちゃんでも、全身を動かしたり声を出したりして、遊ぶ意欲を生まれながらに持っています。そして成長とともにできることが増え、1つのことから遊びを発展させたり、遊びのバリエーションを増やしたりする力をグングンつけていきますね。絵本『こぐまちゃんのみずあそび』でも、こぐまちゃんとしろくまちゃんが、花の水やりから、遊びを発展させていきます。遊びはどんなふうに広がっていくのでしょうか? 大人にとっての子どもたちのいたずらは、遊びそのもの。先が読めない自由な展開こそが遊びの楽しさだということを、読み手の大人にも伝えてくれる絵本です。
どんどん広がる!発展する!水遊びの楽しさ
お花に水をやっていたこぐまちゃん。最初は真剣な表情で水やりに集中していますが、じょうろから出る水のシャワーの様子に、どんどん楽しい気持ちになっていきます。その楽しさや涼しさを自分以外にも伝えようと、きんぎょさんやありさんたちにもじょうろでシャワーをかけてびっくりさせてしまいます。暑いのでありさんに水をあげようと思ったのですけどね。そこにしろくまちゃんがホースを持ってきて、お互いにホースで水のかけっこ。辺りは川が流れたように水浸しになり、その小さな川を使って遊びが広がっていきます。水をかけられて慌てふためいていたありさんたちも楽しそうにしている様子に、ホッとさせられます。時には1人遊びを見守ってみよう!
夏は水遊びや泥遊びが楽しい季節ですが、洋服もたくさん濡れたり汚れたりするので、親にとっては面倒に感じることも……。しかし、水や泥は形が様々に変化し、遊ぶ側の視点を自在に変えてくれます。子ども自身が自分で色々な遊びや楽しみ生み出して発展させることができる、最高の遊び道具ですね。こぐまちゃんとしろくまちゃんの、自由に広がっていく遊びの様子が、読み手の遊び心をもくすぐってくれます。子どもたちもきっと、こぐまちゃんとしろくまちゃんの様子に憧れることでしょう。公園で湧き出る小さな噴水を前に、子どもが色々な働きかけをする姿を見るのも、大人にはない発想がたくさんあって飽きないものです。夏は機会があれば砂浜で水着を着て、波と戯れながら砂だらけになって遊ぶのも楽しいですね。きっと水を前にした小さなお子さんは、こぐまちゃんやしろくまちゃんに負けない発想力で、見守っているだけでも楽しい豊かな遊びの世界を展開してくれることでしょう。