被害を防ぐために
店舗では、金融機関の夜間金庫を利用できるようであれば、費用は安全経費と考えて、ふたり以上で持っていくようにしましょう。店の事務所内の金庫に売上金を入れるのであれば、今一度事務所の安全レベルを検証しましょう。ドアと窓に侵入防止の対策がなされているでしょうか? ドアにも窓にも補助錠が必要です。侵入に時間がかかるようにすることですが、日曜夜間など、ほとんどの人が月曜からの仕事に備えて早々に帰宅して、人通りも少なく商店街もガラガラです。金庫は300キロ以上のものでも男数人によって持ち出される被害が発生しています。小型金庫や手さげ金庫などではそのまま持ち去られてしまうでしょう。事務所の位置によっては、隣地とのわずかなすき間からドリルなどで壁を壊されて侵入されるという手口もありますから、自店を客観的に見て、どこから侵入される危険性があるか、金庫が持ち去られるとしたらどこから?というように考えましょう。金庫は持ち去られないように「床に据え付けてあること」が肝要です。
何よりもまず「侵入されないこと」を一番に対策を施し、文字通り二重三重に、補助錠を設置するなどしましょう。さらに、侵入を試みられたときに、警告音により侵入者を威嚇したり、周囲に緊急事態を知らせるなどの「警報装置」、侵入口や金庫に向けて「防犯監視カメラ」などもないよりはあったほうがいいでしょう。
個人においては、外出時には電車内や混雑した場所には「スリ」がいて、道路を歩けば「ひったくり」がいる――と考えて行動すれば、自然と財布やバッグをガードする態勢になるでしょう。自分が「スリ」「ひったくり」の被害に遭うとしたら、「いつ、どこで、どのように?」と考えれば、そうならないように行動できるはずです。
もちろん、住まいの侵入防止対策も忘れてはなりません。「玄関ドアと窓」すなわち「出入り口は侵入口」と考え、補助錠、侵入防止アラームの設置など、できる限りのことをしましょう。厳重に盗難防止対策を「被害に遭う前に、被害に遭わないように」しておきましょう。できることがあるのにしないでおくと、被害に遭った後で「ああしておけばよかった」「こうもできた」と後悔することになります。後悔しないためにできることは何でもしておきましょう。