ゲーム業界ニュース/ゲームニュース講座

妖怪ウォッチ2 逆転する特典の意味(2ページ目)

大人気の「妖怪ウォッチ」。その最新作「妖怪ウォッチ2 元祖/本家」が発売され、初週から約140万本の大ヒットを飛ばしています。しかし、その人気の陰で、不満もかなりあがっているようです。その不満は、ゲームの中身に対するものではなく、売り方でした。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

連動しようとすると警告が出てしまう

3DSの図

遊んでいる3DS本体を変更すると、警告がでてしまうんですね

もう1つ、不満を買っているのは、本家と元祖の両方が揃わないと遊べない特別なダンジョンがあることです。1つの3DSに本家と元祖の両方のセーブデータがあると行けるようになるダンジョンがあり、これを攻略することでレアな妖怪を手に入れるチャンスがあります。

これもやっぱり、ぱっと聞くと2本買わないといけないように聞こえますが、そうではないんですね。例えば、自分が本家のソフトで遊んでいたとしたら、元祖の方を遊んでいる友達のソフトを使って自分の本体にセーブデータを作ることで解決できます。

ただし、とてもこの話をややこしくしている仕様が妖怪ウォッチ2にはありまして、1度遊び始めた本体以外の3DSで遊ぼうとすると、警告のメッセージが出てペナルティがある、と言われるんですね。ペナルティは不正なプレイを防止するためのもので、特定のアイテムが受け取れなくなったり、イベントが発生しなくなったりします。最長48時間以内で解除され、本家と元祖の連動要素を解放するのに友達や家族のソフトを使っても、通常のプレイに大きな影響はないと公式サイトで説明されています。

ですから、必ずしも自分で2本買わなくても本家と元祖を連動させることは可能です。それにしてもです、ゲームを遊んでいて警告が出れば不安に思う人がいるのは当然です。もしも、友達のソフトで連動しようとしてたなら、なおさらでしょう。なんだかやっぱり、釈然としない話です。

その配慮は本当に届くのだろうか

おさいふの図

子どもにせがまれたお父さんやお母さんは、すごくお金がかかりそうだと心配するかもしれません。

長々と説明してきましたが、とにかく非常にややこしいことになっているんですね。当然、発売されるとすぐにゲーマーはインターネットを使って情報交換をし、特典の妖怪は交換で手に入れられるのか、別の本体で遊んだ時に出るペナルティはどの程度影響があるのか、そういったことを調べていきます。丁寧に情報を精査すれば、ある程度代替手段があることは分かりますし、どうしたら手に入るかも見当がつきます。

しかし、妖怪ウォッチ2は子ども向けのソフトです。4本買わなくてもある程度特典の妖怪などをそろえる手段があることは、子ども達への配慮であると考えることもできるでしょう。しかし、このややこしい話をどこまで子どもが理解できるか、情報を探し、整理して、必要なアクションを起こせるかと言えば、疑問があります。もっと言うとその後ろにはお父さん、お母さんがいます。

ゲームにさほど詳しくない、興味があるわけでもない大人の感覚からすれば、売るために色々仕掛けはしているけど、実は配慮をしているな、とは思わないかもしれません。なんだか知らないけれど、子どもをうまくそそのかして似たようなものを何個も買わせようとしている、と思われてしまえば、印象は非常に悪くなります。それはとてももったいないことです。

そしてこの、すごく複雑な状況で、たくさんの特典があることが、おまけであるはずの、貰えたら嬉しいものである特典の意味を、逆転させていきます。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます